そうか、

Z世代の先頭世代は27歳になるのか。

大卒の27歳なら社会人経験も4、5年になる。

知人の息子がそんな年頃のZ世代。

「先行きを何が起こるか分からない、と不安に感じるタイプだったんですが、

 コロナ禍を収束と見たのでしょうか。コロッと変わりました。秋には長期休暇を取 

 ってヨーロッパを回ってくるそうです。給料はほとんど貯金していたようです」

「積極的ですね」

「周りが何をやっても気にしない奴でした。自分がやっているわけじゃないからって

 無関心でした。ただ観光してくるのではなく、ヨーロッパ各国の再生可能なエネル  

 ギー事情をしっかり見てくるそうです」

「いいことですね」

「本気かどうか。旅の間はスマホは封印するらしいです」

「スマホはZ世代の神器ですがね」

私は苦笑した。

SNSでつながっている30歳前後の男性の妹が25歳でZ世代の英語教師。

氷河時代に生まれて好況というものを知らない。

「再生衣料のフアンなんですが、兄の私が言うのも何ですが、

 センスはいいんですよ。高級ブランドのように着こなすんです」

「ほう。今度画像を送って」

「不確かなことはやらない人間だったんですが、株を始めたんですよ」

「えっ、そりゃまた…」

「儲かってるそうです」

妹思いの兄は苦笑いしたようだった。

慎ましく育ち多様性を尊重しても着実な生き方を好むZ世代は、

先頭世代から大きく変わろうとしているのか。

その価値観はこれからの日本には絶対必要なものだ。

その担い手であるZ世代にチャレンジ精神が生まれつつあるとすれば、

こんな心強いことはない。