太平洋戦争前

 日本政府はABCD包囲陣

 という言葉をよく使い

 国難を煽った。

 A アメリカ

 B ブリティシュ つまりイギリス

 C チャイナ

 D ダッチ つまりオランダ


 イギリス オランダは

 石油 ゴムなどの資源地帯である

 東南アジアに多くの植民地を持っている。


 連合国側は日本に経済制裁を行い

 いろんな物資の禁輸措置を取った。

 特に石油の禁輸は

 日本にとって死活問題になった。

 フランスが入っていないのは

 すでにドイツに占領され

 傀儡のヴィシー政権が誕生していたからである。

 フランスはかたちの上では

 日独伊三国同盟を結ぶ日本の

 友好国だった。


 アメリカは日本と日米交渉を行っていたが

 日本の強硬な態度に業を煮やし

 コーデル・ハル国務長官名義の

 最後通牒を発した

 それがハルノートであった。

 ハルノートには

 1 中国 仏印から無条件撤兵すること

 2 中国では重慶政府(蒋介石政権)以外の

   政府は認めないこと

 3 三国同盟の即時死文化

 という要求が盛り込まれていた。

 仏印はフランス領インドシナのことで

 現在のラオス カンポジャ ベトナム地域のことである。

 
 これは当時の日本にとって

 とても呑めない条件で

 最後通牒だったから

 日本を暴発させるのが目的だった。


 日本は暴発し

 真珠湾を奇襲した。

 その他の地域でも

 緒戦はすべて大勝利だった。

 これはアメリカにとって意外だった。

 半年から1年でかたをつけられる

 と踏んでいたからである。


 日本は国力の圧倒的差で敗れたが

 アメリカは想定外の犠牲を払わされた。


 今 北朝鮮は経済制裁で苦しんでいる

 特に生命線の石油は入手が限られ

 四苦八苦の状態である。

 トランプ大統領は

 軍事行動を辞さない構えを見せている。

 その尻馬に乗り

 安倍首相は対話は無駄だ

 圧力だ

 とこぶしを振りかざして煽っている。

 それは最後通牒を発したのに近い。

 
 北朝鮮が暴発したらどうなるか。

 アメリカ本土をターゲットに入れる

 ミサイルはまだ保有していない。

 グアムに届くミサイルは

 数基あってもパトリオットや

 サードで難なく迎撃できるだろう。

 問題は日本全土を攻撃可能な

 ノドンミサイル数100基が配備されていることだ。

 暴発すればその数100基は

 殆ど韓国 日本に飛ばされる。

 日本に向け100基以上が発射されたとして

 イージス艦の迎撃力や
 
 配備ずみのペトリオットで

 どれだけ墜とせるのか。

 大都市 軍事基地 原発の多くは

 ノドンの餌食になる。

 放射能が広がって

 日本はいのちが生きられない

 死の列島になる。


 無論

 このころにはアメリカが報復を行い

 北朝鮮は炎の地獄になっている。

 アメリカは殆ど無傷でも

 日本と韓国は地獄の様相で

 約束したようには守れなかったことになる。


 これはもの書きの端くれがイメージする

 最悪のケースかもしれないが

 ありえないことではない。


 対話を諦めてはいけないのである。