いつもの夏
朝 ウオーキングをして
我が家に戻る途中
ヒマワリたちはいっせいに僕を見る
遠くの潮騒のように聞こえるが
口々に声をかけてくる
これから朝食だね
滝のような汗だよ
シャワーを浴びな
僕はうなずきながら
挙手で応えていく
今夏は右足痛 50肩 腱鞘炎の三重苦で
ゆっくりゆっくり
カタツムリのように歩いている
お大事に
早くよくなってね
やはり 顔を向けて
口々に見舞ってくれる
お前に顔を向けたんじゃないよ
朝日を背にして歩いているだろ
心ない雑音も聞こえます
でも 曇りの日も
ヒマワリたちは遠慮がちに顔を向けてきます
言葉少なに
雨の日はうなだれています
明日天気になーれ
僕が叫びながら通ると
雨を払う音が絶え間なく聞こえるのです
夏が終わらないうちに
ヒマワリたちはいっせいに姿を消します