有名メーカーのクレーム処理の社員を見ていると

 とても慇懃だけど 口八丁に応対している

 つまり 会社にあまり損害がかからぬよう

 それとなくクレーマーの手落ちも指摘しながら

 微に入り細に入り言い訳をして

 頃合いを見て会社としての誠意を見せる

 補償を有利に持っていくのである

 モンスター的クレーマーの場合は

 大ごとにならないよう相手の言い分を聞くようだが


 こういう企業の専門の社員でなく

 地域社会の住民で同じく住民からクレームをつけられることがある

 反駁する人が多数派だろう

 喧嘩になってその後は口も利かなくなる

 地域ではよくあるケースではないか

 
 まだ若者という年代で

 友人や 他人から何かでクレームをつけられ

 自分に非があると認めた場合は

 何の言い訳もしないで

 クレーマーの言いなりになっている者がいる

 それも誠実に一生懸命にやる

 周りは人がいいか 気が弱いやつぐらいに見る


 しかし

 僕はそういう若者で将来大成した人間を2,3人見ている

 大学のときにもバイト先の他大学生にいた

 バイト仲間が作業机に外した腕時計を置いた

 手首に塗料が付いたので拭くつもりでね

 彼が誤って手にしていたスパナで

 その腕時計を壊してしまった

 腕時計の主は怒ってクレームをつけた

 彼は同じメーカーの同一の腕時計で弁償すると言った

 10日ぐらい経ってバイトで得たカネで新品を買い弁償した

 その彼の手首に同じ時計が光っていた

 必要な部品だけ買って自分で修理したという

 彼は精密機器類に関心が強かった

 自分のミスでクレームをつけられ

 弁償にただ応じたのではなくちゃんと学んだのだ

 卒業後 彼は精密機器メーカーに就職し

 後年 トップになった

 
 人の言いなりになっているように見えて

 充分学んでいる人間がいる

 誠実派で大成するタイプだと言っておこう

 きみの周りにもいないか