前回のランペについて書いたブログで、
月を間近にしたランペの空想ライブを描いたが、
新曲16boosterzを聴いたからには、
続編を描かなきゃ宇宙のゴミにされそうだ。
前回のブログを読んでない人は、
これを読み終えたら読んでくれや。
ホタテ貝が上半分を開いていくように、
月が上半分を開いていくところで終わっている。
ところで、この新曲、
動画でも観たが、
フレッシュな気力がみなぎり、
オイラのような素人目には定かでないが、
これまでのDANCEスキルを脱皮し、
新たな境地を拓こうって意欲に充ちていたぜ。
スリボもエネルギッシュに歌っているときと、
英詞の部分がわりと多かったせいか、
囁くようにしっとりと歌う部分の
コントラストが絶妙だった。
故エリザベス女王が甦られて、
聴き惚れそうだよ。
さて、月はじょじょに上半分を蓋のように拓いていく。
オイラがよく見通せる宇宙空間で、
思い思いに宇宙遊泳していたランペ16人が、
いつの間にか土星の環に立って勢揃いし、
手を振ってるのよ。
「おいお~い、元の軌道に戻るのかよう!」
次第に遠ざかり始めた土星の環の16人に、
オイラは心細くなって叫んだのよ。
土星はスイスイ小さくなって、
やがてオイラの視界から消えた。
ピッピーピィピィぎ~こ~
月が上半分を開き終えたらしい。
月に目を戻して、
おいらは思わず歓声を上げた。
月は感覚的には、
オイラから手の届きそうなところにある。
それなのに、その大きさは、
大きな池ほどなのよ。
錯覚にしても全体が見通せて、
その方が有り難い。
月の下半分は細かい砂のような銀色の物資になっている。
それが流砂のように動いて渦を巻いている。
明かりが薄くなったと思って上を振り仰いだら、
ドーム型天井のように密集していた星たちが、
思い思いの方角に飛んでいくところだった。
ほの暗い空間になった。
銀色の砂は鈍く光りながら、
ゆっくりと渦を巻いている。
エッ、マジかよ、
とオイラはつぶやいた。
16boosterzの前奏じゃないか。
渦巻きながら、銀色の砂が奏でている。
渦の巻き方が速くなって、
銀色の砂が噴き上がる。とても微細な砂だ。
たちまちのうちに、竜巻のように大きく太く噴き上がっていく。
せっかくの前奏が、
銀色の竜巻に塗り込められて消えてしまった。
だけどよ、これはどうなのだ、何なのだ。
誰がこのイベントを主催しているのだ???
銀色の巨大な竜巻が宇宙空間に溶け込むように、
あっという間に消えた。そして、
現れたのはいぶし銀のように輝くロケットだった。
オイラは当然のようにブースターの数を確認していた。
中央部のものが数えにくかったけれど、16基あった。
やはり、ランペのロケットじゃないか。
うなずいた途端、
16基のブースターはゴゴ~ッと豪音を轟かせ始めた。
銀色の砂がもうもうと噴き上がる。
銀色の煙幕に包まれたように、
ロケット・ランペは姿をかき消されたが、
その銀色の煙幕の中からゆっくりと浮き上がった。
たちまちのうちに超高速になって、
ヒュヒュ~ンと宇宙の果てを突き上がっていって、
またたくまに姿を消した。
虚しい静寂が訪れた。
オイラはしょんぼりするしかなかった。
その間、月がまた変化を始めた。
上半分が蓋が閉じるように、
元に戻っていってまん丸の月に還った。
それから月は柔らかくしなやかに変化していって、
淡く金色に輝く円盤になった。
虚空から 16BOOSTERZ の前奏が聴こえた。
オイラは虚空を振り仰いだ。
えっ、何かの船団が大きく弧を描きながら降りてくるぞ。
ゴンドラ船団ではないか。
16隻か。
船体は星をまぶしたように輝いている。
やがて、16隻のゴンドラは月の円盤の上方で音もなく停止した。
直後に先頭のゴンドラは、
円盤すれすれのところまで降りてきた。
このとき、
オイラは初めてゴンドラに乗っているのが球体なことに気づいた。
その球体が浮き上がり、
円盤のほぼ中央部に着陸した。
16BOOSTERZ は前奏から歌に入っていた。
球体はその歌声にあわせるかのように、
小刻みに揺れている。
歌声はハーモニーでRIKUの声は聴き取れたが、
他の声は不思議な気配を持っている。
巨大なシャボン玉が破裂するように、
球体は破裂して、
RIKUとスター・ウォーズのヨーダが現れた。
肩を組んで歌っている。
♪ 儚いな 現し世
待ち時間など wasting time
轟音のような大歓声が上がる。
数万の人が床を踏みならす音も。
でも、見回しても大観衆はいない。
オイラには見えないだけなのか。
2隻目のゴンドラが下りてきて、
フワッと球体が浮いて着地した。
♪ 旅立ち日迫る
1人は壱馬の声だ。
もう1人の声は3歳の子どものような
100歳のお祖父ちゃんのような。
球体が破裂した。
おっ、壱馬がグローグーを肩車して、
ハモってるぞ。
♪ その手の中の賽を 今投げろ
再びの大歓声。
3隻目のゴンドラも球体をフワリと着地させた。
♪ 光速 hypertonic 乗り遅れ厳禁だ
球体が弾けて、
北人とダース・ベイダーがジルバしながら現れた。
北人の吸い寄せるようなセクシーな声に、
ベイダーの野太くて悲しみを込めた声が溶け込んで、
神秘のハーモニーになっている。
三度目の大歓声。
13の球体が次々に着地、
破裂していく。
RIKIYA、陣、健太…
待っていたぞ!
瑠唯、彰吾、翔吾、翔平…
待っていたぞ!
樹、海青、慎…
待っていたぞ!
龍、昴秀、拓磨…
みんなみんな待っていたぞ!
天下無敵、
いや、宇宙無敵のパフォーマーたちよ、
円盤をすり減らして踊りまくれ。
凄まじく、そして、優雅なDANCEが始まった。
それがどんなものかはまたの機会に~