このUH 60JA ヘリは、

通常、操縦者を含めて14人で運用している。

消息を絶ったヘリは熊本の第8師団所属。

地形の偵察を任務として

宮古島の空自分屯地を飛び立ち、

その約10分後、レーダーからその機影を消した。

宮古島の北北西洋上だったという。

搭乗していたのは操縦士2人、

整備士2人のほか、

新任の坂本師団長(陸将)ら6人、

合わせて10人だった。

新任の師団長が乗っていたことに、

僕はちょっと驚かされた。

よほど重要な偵察だったのか。

それとも、

第8師団の管轄海域をしっかり把握しておこう、

という熱心さゆえだったのか。

漁師は出漁を控える程度の天候だったらしいが、

有視界飛行をしていた。

突然、レーダーから消えたのは、

何ごとか不測の事態が発生したことを示唆している。

中国の艦艇や、航空機との接近遭遇等の情報はない、

と浜田防衛相が言明している。

懸命の捜索で機体の1部がいくつか発見されており、搭載されていた救命ボートも発見された。それが折りたたまれた状態だったのは、

不測の事態がよほど急激に起きたことを表している。

同ヘリの運用は大変安定しており、

前月3月には定期点検をすませたばかりだった。

それにもかかわらず、

陸自は機体の不具合や、

操縦ミスなど急激な異変が起きた可能性がある、

と見て調査中だという。

観光バスなどでドライバーが運転中に、

何かの病気の発作に襲われることは稀にある。

操縦士はいくら頑健な自衛官であっても、

職務柄、緊張を強いられることも多い。

増してトップで新任の部隊長を搭乗させての操縦であれば、

通常の運用時よりも気を遣いストレスも高まるに違いない。

仮定の話だが、

突然の体調不良に見舞われたとしても不思議ではない。

いずれにしても、陸自は航空機事故と断定している。

フィクションの世界では、

直接の原因はいろいろに考えられる。

あえてそれについては触れないが、

それで物語が展開されることになる。

それはここでは関係ない。

陸自の詳細な調査の結果で、

何が明らかになるかは分からない。

ただ、有事に国を守る前線に立つ自衛官の方々の健康管理には、

念には念を入れて緻密であってほしい。

 

最後に、搭乗していた10人の方々がどうか無事であってほしいと切に願う。