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 安売りのティッシュ

 今は仔猫さえ見向きもしませんが

 僕にはインパクトのある

 思い出の品です。

 小学時

 我が家で取っていた新聞に

 「ブロンディ」という漫画が

 連載されていました。

 アメリカ製の漫画で

 ブロンディはアメリカの

 中流家庭の主婦です。

 テレビ 電気冷蔵庫 電気掃除機等の

 電化製品が常に登場し

 超電化生活が描かれていて

 僕にはおとぎの国のようでした。

 初め電気掃除機が理解できず

 床を磨く機械かと思っていました。

 我が家にあったのは

 火鉢 コタツ 箒 ラジオでしたもの。

 昭和24、5年のことです。

 しかし

 それから10年も経たないうちに

 電気冷蔵庫 電気洗濯機 電気掃除機

 のいわゆる3種の神器が

 一般化したのですから

 日本家庭の超電化生活化は

 疾風迅雷のようなスピードで

 達成されたのでした。

 それより少し前の

 昭和27年のことです。

 8歳上の姉が

 在日米軍軍事顧問団空軍課

 というところに勤めて

 帰りはPXで買い物をしてくる

 ようになりました。

 日本の店では売っていない

 クッキー  チョコを貰って食べ

 その甘さにしびれました。

 森永や 明治のチョコレートは

 何だったのかと思いました。

 でも

 僕がもっとも好奇心を惹かれたのは

 姉が自室の鏡台においていた

 魔法の箱でした。

 姉が化粧時

 さっと1枚取ると魔法のように

 新しいちり紙が出てきます。
 
 ここはいじらないでよ

 と厳命されていたので

 鏡台のものにはさわらなかった

 のですが

 ある日 とうとう魔法の箱に

 手を出しました。

 1枚取ると次のが出る。

 それが面白くて面白くて

 エヤァ  エヤァ

 取っているうちに空になりました。

 さあ どう戻したらいいか

 考えても解りません。

 揃えて畳んで箱に押し込みました。

 勤めから戻った姉の剣幕の凄かったこと

 羅刹女とはこれか

 と戦慄しました。

 あれ

 クリネックスのティシュだったんですね。

 ところで 僕の場合

 初夢は悪夢が多いですね。

 何年か前

 鼻風邪気味のときに見た初夢は

 羅刹女の姉でした。

 寝汗をかいて起き上がると

 枕元にティシュが置かれていて

 タオルを取りにいくのも面倒で

 エヤァ エヤァ

 と数10枚使って汗を拭いました。


  大晦日の夜に見る夢って

 大事にしてるんです。

 その年惜別の夢ですから。

 昨晩 見た夢は面白かった。

 競輪グランプリの出場選手になっていた。

 実在の平原選手がいてね

 「おれの番手やってまくれ」

 というから言われた通りにして

 まくって「行けるぞ」と

 そのとき

 するする出ていったやつがいて

 賞金の1億円をかっさらった。

 トランプさんでした。

 「来年、いい年になるよ」

 と2着の僕に握手をしてくてましたが

 さてさて どんな意味でいい年なのか。