加湿器が蒸気を噴きあげるだけで
僕の喉は嗄れずに心は潤う。
ふと
この贅沢は何によって
もたらされたのかを考える。
当たり前だけれど
その答えは平和しかない。
シリア北部最大の都市アレッポは
アサド政権軍が制圧した。
それまでに
どれだけの人命が失われただろう。
空爆で乳幼児子供を含む
一般市民の犠牲者は
痛ましいの一語に尽きる。
まだ政権軍による
激しい空爆が盛んな頃
わずか7歳の少女が
ツイッターで発信した
内容の生々しさが
世界の多くの人々の
心を締めつけた。
私は学校の先生になりたい。でも、この戦争で
私は夢をかなえることができません。空爆をや
めて、私に英語と算数を勉強させてください。
少女はもっと生々しい
ツイートを発信したが
ここではあえて
このツイートに留めたい。
この少女は
今 両親 2人の弟とともに
トルコのアンカラで
避難生活を送っている。
これからも苦難の道が
続くに違いない。
しかし
努力次第で少女の夢はかなえられる
可能性がある。
この少女のツイートで浮かびあがるのは
空爆で命を失うことにより
永久に夢をかなえられなくなった
子供たちが大勢いたという
重い事実である。
世界は平和な地域と
戦争や 紛争が絶え間ない地域に
分断されている。
加湿器の蒸気に風邪気味の
喉を潤してもらいながら
戦争がない地域で
安閑としていられることに
罪の意識を感じるのは
なぜだろう。