歴史家カーライルが『フランス革命史』第1巻を書き上げた時のこと。

 

友人の哲学者ミルが書評を書くために、原稿を借りた。

ところが、ミルのお手伝いさんが、

原稿を不要な紙と勘違いして焼却してしまう。

 

数カ月に及ぶ執筆の苦闘は、一瞬で灰と消えた。

それでもカーライルは、謝罪に来たミルを懸命に励まし、

翌日には重ねて、

「友よ、元気を出すんだぞ!」「ぼくはふたたびそれにかかる」

(入江勇起男訳)と手紙につづった。

 

実際には、カーライルの落胆は大きく、何も手につかない日が続いた。

だが、“第一に貴いのは、この艱難を耐え再び筆を執ること”と奮起し、半年後に再び原稿を完成させた。

 

思わぬ苦境に陥った時、その原因をつくった人さえも励ます。

そんな心の強さをカーライルは持っていた。

 

余裕があるから、人を励ませるのではない。

自らが戦っているからこそ、人を励ませるのである。

 

この出来事を通して、内村鑑三は記した。

「不運にあっても(中略)事業を捨ててはならぬ、

勇気を起してふたたびそれに取りかからなければならぬ」

(『後世への最大遺物』岩波文庫)と。

 

人生に思わぬ難局はつきもの。

 

その運命を引き受け、周囲を励ましながら、

不屈の一歩を踏み出す。

そこから“勝利の自分史”は紡がれる。(芯)

          名字の言>2021.2.19

 

          聖教新聞「SEIKYO ONLINE」

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教学

◆〈紙上教学研さん 「世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ〉

第10回=完 絶対勝利の信心〈下〉 

谷川主任副会長2020年10月17日

(池田先生の講義は『創価学会 永遠の五指針』から引用)

 

池田先生の指導


 悪と戦うことで、
 わが生命が鍛えられます。
 清められます。 
 悪と戦う中にこそ、
 功徳も成仏もあるのです。
  
【御文】
法華経の行者は信心に退転無く身に詐親無く・一切法華経に其の身を任せて金言の如く修行せば、慥に後生は申すに及ばず今生も息災延命にして勝妙の大果報を得・広宣流布大願をも成就す可きなり(祈祷経送状、1357ページ5行目~7行目)
  
【現代語訳】
 法華経の行者は信心において退転なく、

身において偽り親しむことなく、一切、

法華経に身を任せて金言の通り修行するなら、

確かに後生はいうまでもなく、

今生においても息災延命ですぐれた果報を得、

広宣流布の大願をも成就することができるにちがいない。
  
■ 池田先生の講義
大聖人は、御自身の大難との闘争について言及された上で、

法華経の行者の「絶対勝利」の信心と実践について、

三点にわたって御指南されていきます。


第一に「信心に退転無く」と仰せです。決定した信心です。

どこまでも妙法根本に生きるとの大誓願です。

わが一念に迷いやためらいがあったり、臆病であってはならない、

ということです。
 「進まざるは退転」です。
                       ―◆―
私たちの信心の実践では、

たゆみない一日一日の積み重ねが重要です。

 

「不退の信心」とは、言い換えれば「諦めない」ことであり、

「負けない」ことです。

臆病な心を排して、勇気を奮い起こした挑戦の中でこそ、

勝利の道は開かれます。

かつて池田先生は“「二月闘争」はなぜ勝利できたのか”について、

「それは、目の前の一人を徹して誠実に励ましてきたことに尽きる」

と語られました。

 

そして、「『広宣流布』は、一人の『人間革命』から始まる。

決意した一人が、一人を立たせる。

その一人が、さらにまた、もう一人を奮い立たせていく。

勇気は勇気を呼ぶ。

この『一対一』の決意の連鎖こそが、

拡大の鉄則である」と教えてくださいました。


目の前の「一人」への励ましを根本に、

いかなる試練や苦難にも負けない「地涌の同志の陣列」を築く――。

 

この地道な戦いによって、

創価の師弟の人材城は築かれてきたのです。

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~

 

社会にも、人生の途上にも、

予期せぬ困難が立ちはだかることがあります。

 

今回のコロナ禍もそうでしょう。

そうした中でも、世界中の同志は、

祈りを根本に立ち上がり、周囲の友を励ましています。
それは、「御書」という明確な指標があるからです。
  
■ 池田先生の講義

 

第二に「身に詐親無く」です。

行動や振る舞いにおいて、偽り親しむことなく、

常に誠実に信念の行動を貫くことです。

信じる道をどこまでもまっすぐ進むのです。

 

また、悪を見て黙っているのは、「詐親」になってしまいます。

 

正法に背く悪に対しては毅然と責めていくことが、

「身に詐親無く」の実践となるのです。


第三に「一切法華経に其の身を任せて金言の如く修行せば」とは、

仏の心である法華経を如説修行することです。

 

私たちの立場でいえば、

どこまでも南無妙法蓮華経の御本尊を根本とし、信行学を貫き、

御書に仰せのままに広宣流布の大願に生き抜くことです。
                             ―◆―


学会は日蓮大聖人の仰せのままに、

「御本尊根本」「御書根本」で進んできました。

学会の教学は、学問的な探求を目的とするものではありません。

どこまでも「実践の教学」であり、

自身の境涯を開いていくためのものです。


御書を拝し、大聖人の大確信の言葉に触れることで、

自身の臆病や不信、恐怖などを打ち破っていくことができます。

 

*~*~*~*~


広宣流布とは永遠に仏と魔との闘争です。

先生は、悪と戦う重要性について教えてくださっています。

 


【御文】
悪を滅するを功と云い善を生ずるを徳と云うなり

(御義口伝、御書762ページ12行目)
  
【現代語訳】
功徳とは、悪を滅するのを「功」といい、

善を生ずるのを「徳」というのである。
  
■ 池田先生の講義


末法という正邪が転倒した時代は、

「元品の無明」が現実社会に蔓延する悪縁に触れて、増長していく。

ゆえに法華経の行者に対する魔の勢力の反発も強まるのです。


だからこそ、現実の「外なる悪」と戦い、勝たねばなりません。

「外なる悪」との戦いは、「内なる悪」に打ち勝ち、

「内なる善」を開き顕す戦いと一体だからです。


悪と戦うことで、わが生命が鍛えられます。清められます。

「悪を滅するを功と云い善を生ずるを徳と云うなり」です。

悪と戦う中にこそ、功徳も成仏もあるのです。
 

*~*~*~


先生は最後に、

「異体同心の団結」の重要性について教えてくださっています。
  
■ 池田先生の講義


「悪は多けれども一善にかつ事なし」(御書1463ページ)です。

 

その勝利の要諦を教えられている御文が、

「日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じて・

一定法華経ひろまりなんと覚へ候」(同ページ)です。


正義の陣営が異体同心の団結で臨めば、

最後には絶対に勝てるのです。
 

広宣流布の師匠と心を合わせて、

法華経の兵法で戦えば必ず勝てる!
 

勇気ある信心を貫けば、必ず正義を宣揚できる!
 

異体を同心とする善の団結を築けば、いかなる悪をも打ち破れる!
 

これが「絶対勝利の信心」の極意です。
                                ―◆―

先生は「異体同心」について、

「仏の心であり遺命である『広宣流布』を我が使命として自覚し、

実践し抜いていく『師弟不二の信心』にこそ、

『同心』の核心があります。

 

師と同じ精神に立って、戦いに挑み、勝利することが

『異体同心』の根幹です」と語られたことがあります。


実際に、異体同心の団結を実現することは簡単ではありません。

さまざまな違いを乗り越えて、同じ心になっていく。

 

その中心の一本の軸こそが「師弟」です。

 

広布拡大の勝利の結果をもって師匠に報告し、喜んでいただく――。

その弟子の誓願の心で皆が一致していくところに

真の団結は生まれます。


そのためにも、私たち弟子が決定した信心で、

一人立ち上がっていくことが大切です。

 

今、「わが地域の広布は私が担う」との誓いを持った

地涌の同志が世界中に広がっています。

 

この池田門下の連帯こそ、異体同心の姿であると思います。
 

絶対勝利の信心を持った私たちは、師弟不二の実践に徹して、

世界広布にまい進していきましょう。

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〈御文〉
凡夫は志ざしと申す文字を心へて仏になり候なり

(白米一俵御書、1596ページ)

 

〈通解〉
凡夫は「志」という文字を心得て仏になるのである。

 

〈池田先生が贈る指針〉
万人が成仏できる民衆仏法である。

凡夫がそのまま仏になれる要諦が、信心の強き「志」なのだ。


「心こそ大切」である。

法のため、友のため、立正安国のため、

自らも悩みと闘いながら、今できることに真心を尽くす。

 

そこに揺るがぬ幸福境涯が開かれる。
 

同志の尊き志を労い、讃え合い、歓喜も功徳も増しゆこう!

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