当院には、パニック障害・不安障害などの診断を受けた患者さんが多く通院されています。
しかし、こういった病名がつけられていなかったとしても、不安感を訴える患者さんは多いものです。
例えば、主訴が肩こりや頭痛、もしくは不妊症などだったとしても、話を聞いていくと不眠や動悸・そして不安感にも悩んでいるというケースもよく見受けられます。
不眠・動悸・不安感。
この3つはセットで現れることが多いです。
東洋医学的には「心の臓(しんのぞう)」が病むと、これらの症状がセットで現れやすくなります。
基本的には、この「心の臓」を調えてあげれば、症状は消失するのですが、問題はこの「心の臓」を病むまでの経緯なのです。
何が原因で、どのようなメカニズムで「心の臓」を病んでしまったのか?
たとえば、
・精神的ストレスや、疲労を溜め込むことによる「肝の臓(かんのぞう)」の異常。
・食べ過ぎや、そもそもの胃腸の弱りによる「脾の臓(ひのぞう)」の異常。
・加齢や過労、房事過多による「腎の臓(じんのぞう)」の異常。
これら他の臓腑の異常が波及して、結果的に「心の臓」が異常をきたし、症状が出現する。
こういったケースも多いのです。
ですから、単純に「心の臓」だけ整えればよいわけでもありません。
他にも最近は、
・ワクチン接種後の「心の臓」の異常。
・コロナ後遺症による「心の臓」の異常。
なども見受けられます。
これらの原因や症状が現れるまでの経緯を、問診や体表観察(舌診・腹診、背部・四肢の重要なツボの観察)などを通して明らかにし、治療を進めていきます。
つまり、決して「不安感にはこのツボ!」といった具合で短絡的な治療をしてはいけないのです。
「ワクチン接種後の症状にはこのツボ!」
「コロナ後遺症にはこのツボ!」
もあり得ません。
なぜコロナ感染やワクチン接種後に、これらの異常が現れるのか?
まだまだ正確なエビデンスはないとは思いますが、あくまで東洋医学的な診立てで、東洋医学的な治療をすることにより、よくなっていく現実があります。
これまでの経験上わかっていることとしては、もともと心の臓に熱をこもらせやすい方や、心の臓における陰血が不足傾向にある方は、こういった症状を引き起こしやすい特徴があります。
そのあたりの体質的な要因を踏まえた上で治療を進めていけば、ほぼほぼうまくいきます。
もし、お困りの方がいれば相談頂きたいです。