コロナの影響で(一社)北辰会の定例会が開催できず、勉強する場が失われてしまっていることもあり、せめて院内の有志だけでも集まり、少人数の勉強会を開催しようと試みて早一年。
これまで一度も休むことなく、月一回の勉強会を継続しております。
全体としては5時間の勉強会になるのですが、まず前半は症例発表。みんなで意見を出し合い、検討会を行います。
今回は大久保先生が自身の症例を発表してくれました。
難病の症例でありながらも順調に回復しており、基本的に問題はないのですが、「何か見落としがないか?今後気をつけるべきことはないか?」といった観点で各自意見を出し合いました。
たとえうまくいっている症例であっても、病が生じるまでのストーリーや、治療経過を洗ってくことにより、思考が更に研ぎ澄まされます。
後半は実技。
今回は、一人の患者役に対して全員で問診&体表観察を行い、各自それぞれの診立てを発表し、それぞれが選ぶツボに対して古代鍼(刺さない鍼)を施して、効果判定を行うという新たな試みでした。
古代鍼の場合、患者に負担をかけることなく、一回一回治療後の効果判定をすることができ、なおかつ全員の治療の結果を知ることができます。
刺す鍼も、刺さない鍼も、気を動かすという意味では同じです。
今回は気を動かすとはどういう意味か?ということを感じてもらいたく、敢えて古代鍼での実技を取り入れてみました。
気を動かすという観点でいえば、技術云々も確かに重要ですが、こうすれば気が動くとか、確かなもの、正しいものなどはなく、どちらかといえば集中力や意識、経験などが重要なように思えます。
気を動かすことにより病を癒すという概念。
巷にある現代医学的な鍼灸や美容鍼と、私たちが行っている伝統的な鍼灸との決定的な違いがここにあります。