8月5日に父が88歳で他界しました。
死は親が子供に教えられる最後のこと、と聞いたことがあります。
脳梗塞で倒れて、嚥下障害が残ってからも本当に忍耐強く、いつも穏やかで感謝の気持ちを忘れなかった父。
命の尽きる最後迄、心穏やかに精一杯生きた父は本当に強い人だなと思います。
父の最後の時間を共に穏やかに過ごせたことに感謝しかありません。
父は大正から昭和に変わる頃に、京都の家の次男として生まれ、学生時代は乗馬や剣道をしていました。
多感な年に戦争を経験し、1歳年上の兄を戦死で亡くしました。続けて父(私の祖父)を病気で亡くし、まだ幼い弟妹がたくさんいた為、家族の為に働きました。
その後、事業を立ち上げたり、一緒に事業をしていた人の裏切りにあったりと、波乱万丈な20代を乗り越えてきました。
父の強さ、底力は、そんなところから来ているのかもしれません。
30代になって、仕事も落ち着き、母とはお見合いで結婚し、私が生まれました。
母が亡くなる前に人生を振り返り、私に話してくれたことがありました。母の母親の面倒を最後まで、愚痴一つ言わず父が看てくれたことを、母はとても感謝していました。
そんな父は、スペインに高校留学する孫娘との約束「おじいちゃん、帰って来るのを待っていてね!」「待っているから、気をつけて行ってきなさい」との約束を守り、娘の帰国した元気な顔を見て直ぐに旅立ちました。
母が亡くなってから15年、頑張ってくれてありがとう。娘でいさせてくれてありがとう。