今回は、「カラオケ行こ！」を観て参りました
変声期に悩む合唱部部長の中学3年生・岡聡実(齋藤潤)は、ある日突然、見知らぬヤクザの成田狂児(綾野剛)からカラオケに誘われる。
組長主催のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを免れるため、狂児から歌のレッスンを依頼された聡実は、戸惑いながらも、カラオケを通じて狂児と親しくなって行くが…というお話。
「夢中さ、きみに。」や「女の園の星」の、和山やまの原作漫画を実写化。
いやこれ、メチャクチャ面白かったです
大阪が舞台なんですが、笑いのキレで言ったら、同じく関西を舞台にしていた「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜」に比べても、数倍は冴え渡っていました。
普段、私は映画館で声を出して笑うところまで行かないんですが(ニヤニヤするだけ)、本作はちょっと、我慢しても「ぶふふふ…」と声が漏れてしまいました
テンポも間(ま)も良く、すごく面白かった上に、キャスト陣の関西弁もとても流暢で、ほとんどストレスも感じませんでしたね
中でも芳根京子さんの関西弁が素晴らしく、関西出身の人なのかと思って調べましたが、東京都でした
さて、始めにコメディ部分を褒めちぎってしまいましたが、ドラマの部分も良かったです
変声期の到来により、ソプラノが上手く出せなくなり、人知れず悩んでいた聡実。
そんな時に出会った、カラオケ大会の罰ゲームから逃れたいという、聡実にしたらしょうもない理由で、必死に歌を練習する狂児。
何度も狂児と会ううち、聡実の心境にも変化が表れて行く過程が、丁寧に描かれていました。
一つ吹っ切れた聡実に、タイミング悪く起こるある出来事については、確かにベタな展開ではありましたが、でも、それ以上に感動を誘いましたね
この岡聡実役を演じた齋藤潤くんは、オーディションで選ばれたそうですが、素晴らしかったです
合唱部に所属していながら、彼の歌唱は、クライマックスまでちゃんと聴くことは出来ません。
だけどその分、最後の最後に魂をぶつけるようにして歌った「紅」は、本当に圧巻でした！
感動に打ち震えたシーンでした
成田狂児役の綾野剛さんは、原作を読んだ方の感想では「ちょっと違う」らしいのですが、私は原作未読なので、とても良かったと思いました
何だか、いつもより漂う色気があったような気もしたりして。
それに、実際に映画を観たら、「ちょっと違う」と思った方々も納得の狂児だったようです
狂児は歌が下手という設定ですが、最後の方は上達ぶりがちゃんと見えて、すごく上手くなっていました。
綾野剛さんがそもそも、上手いのかも知れませんね
本当に面白かったし、ほろりと来る物語で、すごく良かったと思います
原作漫画の方も、今度買って読んでみようと思いました
原作者の和山やま先生は、以前「夢中さ、きみに。」がドラマ化されたのを観ていましたが、男子同士の絶妙な距離感を描くのが上手いですね
本作も決してBLではないのですが、そこかしこにBL好きの腐心をくすぐるシーンが隠されていて、ちょっとドキドキも出来ちゃいます
二次創作の世界では、やはりと言いますか、聡実と狂児のBL展開がわんさとあるようですよ
そして、忘れてはならないのが、エンドロール後のアレ
皆さん、本作は決してエンドロールの途中で帰らないで下さい
本編で聡実が言っていた「ある提案」に対する、アンサーが用意されています
あれ、私は映画オリジナルなのかと思っていたのですが、ちゃんと原作にもあるそうで、原作ファンが絶対に観たいであろうシーンをぬかりなく盛り込む脚本家・野木亜紀子さんに脱帽しました
さて、ここからは余談なんですが、ワタクシ、いつも映画は、事前にネットで座席予約をしてから行くんですよね。
で、予約後に、映画館でチケットを発券するための購入番号が発行されるんですけども、その番号が今回、なんと…
もういっちょ、証拠写真
そう、「1515」だったんです
1515…
いこいこ…
行こ行こ
カラオケ行こ！
行こ行こ
わーお、ミラクル
kagamiko的評価
★★★★★(4.5点)