今回は、小説の話ニコニコ

先日、ブログに感想を書いた映画「死刑にいたる病」の原作を読みました!

作者は、櫛木理宇先生です。



映画では、序盤から爪を剥がすなどの拷問シーンが映像として映し出されており、このシーンが原作だともっと微に入り細に入り描写されていることと勝手に期待していましたが、これが意外にほとんどなくて、「こういう作品を観るのは苦手だけど興味はあるんだ」という方には、こちらの小説の方がハードルは低いかも知れません。


ほぼ死刑が確定している連続殺人鬼・榛村大和から、立件された9件のうち1件の殺人について冤罪の証明をして欲しいと依頼された大学生・筧井雅也

ストーリーは、榛村と過去に接点のあった様々な人物に雅也が会い、話を聞いて行く会話形式がほとんどの部分を占めています。

でも、それらの会話から浮かび上がる榛村の人物像は、本当に人によってバラバラで、そこが面白かったですねニコニコ

飽きることなく、最後までグイグイ引き込まれながら読みました。


ところで、シリアルキラー・榛村大和は、原作ではとんでもない美青年という設定なんですね。

作中でも言及されていましたが、海外の有名なシリアルキラー、テッド・バンディのイメージです。

榛村は人当たりの良さと、その美しい容姿のおかげで、警戒されることなく獲物を捕らえ、彼が燻製小屋で監禁しようが拷問しようが、死体を焼却炉で焼いていようが、周りの誰も怪しむ者はなかったとのこと。


私利私欲や一時の感情で1人2人殺せば単なるクズですが、本人にしか分からない理由で何十人も殺せば伝説になるという不思議。

そんな美しきシリアルキラー・榛村を、映画では決してイケメン枠ではない阿部サダヲさんが演じていました。



私は先に映画を観たので、この役は阿部サダヲさんにピッタリだなと思っていました。

後から原作の美青年・榛村に出会ったわけですが、どういうわけか、もう脳内では阿部サダヲさんに変換されてしまうんですよアセアセ

せっかくの美青年設定なのにアセアセ

これ、先に小説を読んで、美青年・榛村の虜になっちゃっていた人なんかは、映画で彼を阿部サダヲさんが演じることについて、いろいろ思うこともあったんじゃないかと思います。

でも、原作を読んでみても尚、私はこの役は阿部サダヲさんで良かったと思いました。


イケメンで優しくて…となると、誰もが好意的に見るかも知れないけれど、一定数、逆に警戒する人も出て来ると思うんですよね。

その点、優しくて人当たりも良いけれど、容姿は普通かそれ以下くらいの人物の方が、実は信用されやすいと思うのです。

だから、変にイケメン俳優をキャスティングするより、阿部サダヲさんには説得力があったと思いますねニコニコ


ラストも、私は映画の方が怖くて余韻があり、良かったと思います!

うん、やはり原作のある実写化作品は、先に実写、後から原作の順で嗜んだ方が、どちらに対しても好意的になれるようです(笑)

映画版は怖くて観られない方も、映画が気に入った方も、是非、原作の方にも触れてみて欲しいと思いますキラキラ


さて、そんな本作の原作者・櫛木理宇先生。

私は大体、ある作品で「この作家さん好きだな」と思うと、他の著作も読み漁る傾向がありまして。

最近だと、「美しい彼」で知った凪良ゆう先生の一般文芸を読破しました(BL作品の方は著作が多すぎて、まだ数えるほどしか読めていませんアセアセ)

そして、今、私が最もハマっている作家さんが、この櫛木理宇先生なんですね〜キラキラ


櫛木作品で今までに読んだものは、「虜囚の犬」「殺人依存症」「残酷依存症」「鵜頭川村事件」「死んでもいい」そして、「ホーンテッド・キャンパス」シリーズの4作目まで。

最初に読んだのは、「虜囚の犬」でした。



実は本作にも、ちょっとイカれた美少年が出て来るんです。

その「美少年」とつるんでいると、「普通の少年」も何でも出来るような気持ちになるという構図は、今思えば「死刑にいたる病」の榛村と、彼に影響されて行く雅也の関係にも似ていましたね。

その「美少年」と「普通の少年」の辿り着くラストが、何とも言えず尊かったのを覚えています。

BLまでは行かないけれど、ブロマンス的なものがありました照れ


「殺人依存症」と「残酷依存症」は、セットで読んで欲しい作品です。



この2作品は、かなりハードな内容ですアセアセ

特に「残酷依存症」は、その名の通り残酷描写がこれでもかと言うほど盛り込まれておりますので、耐性なき方はご注意を!

でも、両方ともすごく面白かったですニコニコ

新たなダークヒーロー(ヒロイン?)誕生!って感じですね。


そして、私が最も「すげえ」と唸ったのが、「鵜頭川村事件」。



嵐で孤立した田舎の村で、数日の間に起こる殺人と暴動を描いた物語なんですが、これがメチャクチャ面白かった!

とにかく、田舎の閉塞感が半端ないんですよ。

この本を読んだ頃、他の作家さんの作品で、同じように孤立した田舎で起こる殺人ものを読んだのですが、比べ物にならないくらい面白かった!

いえ、そちらの作家さんも大好きで、色んな作品読ませて頂いてるんですが、この時ばかりは凄い力量の差を感じました。

そんな本作、ドラマ化されているらしいのです!



何気に出演者も豪華じゃないキラキラ

観たいけど、WOWOWだし、私の入ってる配信サービスにはありませんでしたえーん


櫛木先生のデビュー作であり代表作でもある「ホーンテッド・キャンパス」シリーズも、面白いですよニコニコ



シリーズがもうたくさん出ているのですが、1冊1冊は中編集のような感じで、いくつかの物語で構成されています。

でも、それぞれバラバラの物語ではなく、1冊すべて読むと、その巻のテーマが浮かび上がって来るようになっていて、そこが上手いなと思いますね。

霊が視える主人公・八神森司と、彼の高校時代の後輩で今は同じ大学の同学年(森司が一浪のため)である灘こよみとの、じりじり焦れったい恋模様も可愛くて、見どころ(読みどころ?)の1つになっています照れ


ちなみに本作は、映画化もされていまして。



これもね、なかなか面白かったんですよ〜キラキラ

小説を読み始めるより、もうずっと前に観たのですが、こうしてポスターを見ると、あのキャラがこの子で…と一発で分かりますね!

また観たくなって来ちゃいました照れ

私はオカ研(オカルト研究会)部長の、麟太郎くんがお気に入りラブラブ


さてさて、櫛木理宇先生の著作をいくつかご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

気になる作品はありましたか?

櫛木先生も著作がものすごく多いので、私もまだまだ全然読めていない方ですが、当分の間は先生の過去作を読み漁って行こうと思っていますニコニコ

櫛木先生の作品には、美青年や美少年が出て来る確率が結構高いので、そちらも楽しみなんで御座いますラブラブ

先生もお好きなんでしょうね〜、美しい男キラキラ