前回は、ドラマ版「ハンニバル」をご紹介しました。
本記事は、ドラマ版の記事を先に読んで頂くことをオススメします。
そして今回は、映画の方のレクター博士シリーズ、4作品について書いて行きたいと思います
1つ1つは簡単な感想になると思いますが、ご容赦ください。
では、まずはこちらから。
「羊たちの沈黙」(1991年)
FBIアカデミーの優秀な訓練生クラリスは連続誘拐殺人事件の捜査スタッフに組み込まれ、犯罪者として収監されているレクター博士と面会する。それは、天才的な精神科医でありながら、自らの患者を次々と死に追いやったレクターこそ事件の謎を解く鍵になると見込んでのことだった。レクターはクラリスに興味を示し、捜査の手がかりを与える。ふたりが次第に心を通わせていく一方、新たな誘拐事件が。そしてレクターは脱獄を図り……。ジョナサン・デミ監督の代表作となったサイコサスペンス。
(映画.comより抜粋)
ハンニバル・レクター博士の物語が初めて映像化された、記念すべき作品ですね。
私が本作を初めて観たのは、高校の文化祭で企画の1つとしてあった上映会でした。
友達に誘われて観に行ったけど、映画館ではないので気が散って、あまり内容も頭に入って来ず、それほど面白いとも思えなかったままになってしまった作品でした。
今回、ドラマ版を観た流れで映画版も観直そうと思い立ち、改めて観てみましたが、物語についてはそれほど過激ということもなく、別に普通…という印象でした。
でもこれは、過激すぎるドラマ版を先に観てしまっているからかも知れません!
レクター博士役のアンソニー・ホプキンスは、さすが雰囲気がありましたね。
逮捕されてから何年後の設定なのか分かりませんが(もしかしたら作中に分かる部分があったかも)、あのマッツ・ミケルセンがこれに…とは、ちょっと思ってしまいました
いや、ドラマと映画は別物ですからね!
私はスマートでスタイリッシュだったマッツ・レクターが好きだけど、貫禄や不気味さではアンソニー・レクターには敵いません!
冒頭の、ジョギングをしているクラリスには初々しさも感じられましたが、その後はずっと美しかったです
終盤の、犯人の家での対決は、ちょっとハラハラさせられました。
特に電気が落とされて暗闇に包まれてからの、犯人が装着している暗視ゴーグルの視点映像は、緊張感があって良かったです
あと、ポスター写真にも写っている蛾。
ドラマ版のシーズン3に出て来た死体で、こういうのがあって
これを見た時、ふと映画を思い出しました。
映画へのオマージュだったのかどうかは分かりませんし、映画とも何の関係もない死体でしたが、他の3作の映画を含め、こういうドラマと映画の繋がりを感じさせられるシーンやセリフが、たくさん出て来たのも嬉しかったです。
本作では他にも、レクター博士が独房の中で記憶を頼りにフィレンツェの絵を描いていて、これもドラマ版でマッツ・レクターが「記憶だけでこの街並みを描けるようにしておきたい」と言っていたのを思い出させ、切なくなりました…
「ハンニバル」(2001年)
アカデミー賞を受賞した傑作サスペンスミステリー「羊たちの沈黙」の続編で、トマス・ハリスの同名小説を映画化。全米を震撼させたバッファロー・ビル事件から10年。レクター博士のヒントで犯人を逮捕したクラリスは、FBIのベテラン捜査官となっていた。しかし、麻薬密売人イベルダの逮捕の際、激しい銃撃戦の末に彼女を射殺したクラリスは、マスコミの非難を浴びFBI内部でも厳しい追求を受ける。一方、レクター博士はイタリアに渡り、“フェル”博士としてフィレンツェの名家の蔵書を司る職に就いていた。
(映画.comより抜粋)
前作「羊たちの沈黙」のラストで脱獄したレクター博士は、イタリアのフィレンツェに渡っていました。
ここはドラマ版のシーズン3に当たる部分ですが、ドラマではFBIに捕まりそうになったところを逃亡して渡ったことになってましたね。
ちょっと設定が変わっていますが、変わったと言えば、主人公のクラリス役も…。
ジョディ・フォスターから、ジュリアン・ムーアに変更されています!
主役の俳優が変わってしまうのは、残念ですね
知らずに観始めたので、ビックリしてしまいました。
ちなみに、レクター博士はアンソニー・ホプキンスが続投しています
そして、本作ではドラマ版でも出て来たメイスン・ヴァージャーが登場するのですが、こちらはドラマよりも酷いことになっていましたね
左がドラマ版、右が映画版。
しかし、彼がこうなった経緯はほとんど描かれず、イメージシーンが少しとセリフの説明のみだったので、彼の異常な性格やレクター博士への恨みは、映画ではあまり伝わって来ませんでした。
なので、ここはドラマ版を先に観ておいて良かったです。
ドラマでは、メイスンに関するエピソードもじっくりと描かれていましたよ
そして、このメイスンの口からも、レクター博士は「同性愛者だ」とハッキリ言われていますね。
ふ〜ん、やっぱりそうなのか…。
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映画の公開年としては一番遅い4作目ですが、物語の時系列としては一番初めに当たります。
レクター博士が、どうして恐るべき殺人鬼となってしまったのかを描く物語。
最初に言ってしまうと、映画版の全4作品の中では、私は本作が一番楽しんで観ることが出来ましたし、断然好きでした!
本作では、あれだけ長かったドラマ版でも、セリフでほんの少ししか言及されなかったレクター博士の妹・ミーシャについて、詳しく描かれています。
私がこれを一番面白いと思ったのには、ドラマ版でも語られなかった新しいエピソードだったということが、やはり大きいですね
ミーシャが既に亡くなっていることはドラマ版で知っていましたが、彼女に何があったのか、そしてレクター博士は、どんな幼少期〜青年期を送って今のような残忍な殺人鬼になったのか。
そこの部分が明らかになったことで、ようやくすべてのピースが嵌まったような気がしました!
そして何より、青年期のハンニバル・レクターが、うっ…美しい!
演じたのは、ギャスパー・ウリエル。
私は聞いたことのない俳優さんでしたが、一目で虜になってしまいました
他の作品も観てみた〜い
このイケメンさんが主役なので、観ていて単純に楽しかったし、私は「何故こうなったか」という始まりの物語が結構好きなので、これは本当に面白かったです!
ただ、これを始まりとするならば、ドラマ版シーズン3で登場した千代や、レクター博士自らが語っていたこととは少し整合性が付かなくなるのですが、すべての発端がミーシャだったことは間違いなさそうです。
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