今回は、「ブライトバーン/恐怖の拡散者」を観て参りました^_^
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切り口が新鮮(°∀°)b
まずは粗筋です。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンが製作を務め、SF、ホラー、サスペンス、ドラマなどさまざまなジャンルをミックスして描いた一作。母親になる夢を抱いているものの、なかなか子どもができずに悩んでいたトーリのもとに、ある時、謎めいた赤ちゃんがやってくる。赤ちゃんはブランドンと名づけられ、聡明で才能にあふれ、好奇心旺盛な子どもへと成長。トーリと夫カイルにとっても、かけがえのない存在になっていく。しかし、12歳になったブランドンは、普通の人にはない異常な力を発揮し始め、やがて米カンザス州ブライトバーンの町をかつてない恐怖に陥れていく。
(映画.comより抜粋)
最近、ヒーロー映画に出て来るヴィランを主役にしたスピンオフ的な作品、多いですよね。
私はヒーロー映画自体をほとんど観ないので、その敵役のお話も基本的に観ることはないのですが、興味の度合いで言うと、ヴィランの物語の方がまだ「観てみたい」気にはなります。
そんなヴィランの映画と言うと、大体、「何故、悪の道に落ちて行ったのか」や、「ヴィラン側から見た正義」などが描かれることが多いのでしょうか。
とすると、やはり、元々のヒーロー映画を観ていた方が、感情移入はしやすいかも知れません。
しかし、本作の主人公は、ヒーロー映画で言えば明らかにヴィランの役回りでありながら、「何の映画の」という縛りがない。
そこが、私にもとても見やすい作りとなっておりました。
そしてこの物語は、「後にヴィランになる誰か」のお話ではなく、「もし自分に超能力があると知ってしまったら」の、主人公はあなたかも知れない、IFストーリーなのです。
よく考えれば、そうなんですよね(←唐突に)。
常人とは違う凄いパワー(超能力)を持っているからと言って、必ずヒーローにならないといけない理由はないし、なるとも限らない。
そもそもヴィランだって、凄い力を持っていながら、「悪」と言われる道に進んだわけですし。
現実にも、よくニュースで、凄く頭の良い人が、その頭脳を悪い方に使ってしまって逮捕されたりしているのを見ると、「何でその頭を良い方向に使えなかったのかなあ」とは、やっぱり思ってしまいますけどね。
それに究極、どちらを選ばないといけないということもなくて、力を隠して、普通の人間の振りをして生きたっていいんですよ。
本作の場合、人間の姿をしていても、地球人ではなかったようではありますが…。
本作の主人公・ブランドンは、学校ではクラスメートから「からかい」の対象になっているような、スクールカースト底辺の男の子。
それが、ある日 突然、自分には超能力があると自覚してしまう。
それからは、ムカつくことがあれば超能力で相手を傷付け、興味本位で力を試したりもして、やがて自分の力に周りが気付き始めると、力で邪魔者を排除して行く。
ブランドンくらい子供の時に、自分に超能力があると知ってしまったら、そりゃあこうなりますよね。
しかし、このブランドン役の子、絶妙なキャスティングでしたね。
顔付きや目付きが、凄く不気味でした。
当然オーディションで選ばれたのでしょうが、よく見付けたなあと思いましたよ。
このブランドンの悪行もなかなかのもので、女の子の手を捻り潰すわ、叔父さんの乗った車を宙に浮かせて真っ逆さまに落とすわ、邪魔な警官は壁や床にビッタンビッタン叩き付けてメチャクチャにするわ…。
そのためグロ描写も割と強めで、予告編でキャッチコピー的に使われていた「顎が外れるほど怖い」というのは、このことか〜と感心したり。
個人的には、クラスメートのお母さんの目に、割れた蛍光灯の破片が刺さって、それを自分で引き抜くシーンが、痛そうで良かったです。
左半分が紅く染まった視界に、自作のマスクとマントを身に着けたブランドンが浮かび上がるところも、いい感じでしたね。
少し残念だったのは、終盤、何もかもバレたブランドンが、ママに「良いことがしたかった」と言う場面があるのですが、「嘘つけえ!」としか思えなかった点でしょうか。
もし一度でも、ブランドンがその力で誰かを助け、でも気味悪がられて傷付いたりしたことがあったのなら、彼の葛藤も感じられて、ドラマに深みが出たと思うのですが。
ただただ、少年が好き勝手やっただけのお話になってしまっていたので、その分、映画としては今ひとつ見応えが感じられなかったかな、と思います。
でも、もしかしたら、その辺りをちゃんと詰めると、これまでと同じ「何故、悪の道に落ちて行ったのか」の物語になってしまうので、これはこれでアリなのかなあ、とも思ったり。
ヴィランになるのに、そうそう深い物語を持った人ばかりじゃない、という切り口であれば、これが正解なのかも知れません。
kagamiko的評価
★★★☆☆