今回は「祈りの幕が下りる時」を観て参りました(^-^)

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日本人なら、もう説明もいらないくらい超有名作家・東野圭吾さん原作の、「新参者」シリーズ完結編ですね(^-^)

映像の「新参者」シリーズは、2010年に放送された連続ドラマから始まり、SPドラマや映画を経て、今作「祈りの幕が下りる時」まで、足かけ8年の人気シリーズです。

私は連ドラからすべて観て来ておりまして、何作かは原作小説も読んでいます。
今回の作品は、基本的にそういった人が鑑賞することを前提に作られていると思います。
何故なら、ここまでじっくり描かれて来た主人公・加賀恭一郎の過去や家族との関係において、ずっと謎のままだったすべてのことが、この作品で遂に明らかにされるからです。

もちろん、今作で初めて「新参者」シリーズに触れるという方が観たとしても、これが素晴らしい作品であることは分かってもらえると思います。
今作の軸となっている事件が非常に見応えのあるもので、かつ色々と考えさせられる内容になっていますから、単体でも完成度の高い作品であることは間違いないです。

でもやはり、この「祈りの幕が下りる時」を観るなら、これまでの作品を観てからにして欲しいかな…。
でないと、加賀の父親(山崎努)や、父親の担当だった看護師(田中麗奈)などのシーンに感情移入しにくいと思います。
せっかく良いシーンなのでね…。

さて、前置きが長くなりましたが、粗筋です。

東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。 被害者は滋賀県在住の押谷道子。 殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。 やがて捜査線上に浮かびあがる美しき舞台演出家・浅居博美(松嶋菜々子)。 しかし彼女には確かなアリバイがあり、捜査は進展しない。 松宮脩平(溝端淳平)は捜査を進めるうちに、現場の遺留品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。 その事実を知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。 それは失踪した加賀の母に繋がっていた――。
(映画「祈りの幕が下りる時」公式サイトより抜粋)

「祈りの幕が下りる時」は、映画化される前に原作小説を読んでいました。
非常に複雑なストーリーなのですが、これが東野圭吾さんの最高傑作なんじゃないかと思うほどの完成度で、物語に圧倒されたのを覚えています。
それが今回、ほぼ完璧に映像化されていましたね!

本当に、説明するのが難しいくらい複雑に絡み合った事件なのです。
小説ではもちろん、東野圭吾さんの手腕できちんと分かりやすく展開して行くのですが、やはり映像になると、より分かりやすくなった気がしました。
何か進展があると捜査会議のシーンでちゃんとまとめてくれるし、ホワイトボードに書かれた写真付きの人物相関図など、小説と違って目から入って来る情報もあるので、ワケが分からなくなるということはまずないと思います。

今回、脚本家の方がすごく頑張られたのではないでしょうか。
水が流れるように滑らかな展開で、無駄なセリフやシーンも一切なく、見ていてほとんどストレスを感じませんでした!

でも、事件はかなりハードなので、覚悟して観ないといけません(>_<)
もちろんフィクションなんだけれども、もしかしたらこの日本のどこかで、本当にこんなことがあるかも知れないと思わせるリアルさを感じました。

今、このブログを読んで下さっている方のほとんどは、雨風をしのげる家に住んでいるでしょう。
学校に行ったり、働いたりしているでしょう。
寒さや暑さを調節するための物や手段も、持っていることと思います。

それらは、ごく「普通」のこと。
でも、「普通」イコール「当たり前」ではないのだということを、この作品を観れば思い知ることが出来るはずです。

「当たり前」だと思っていた「普通」は、時に何かの拍子で、いとも簡単に奪われることがある。
それは自分のせいかも知れないし、理不尽だけれど他人のせいの場合もある。
一つ確かなのは、「誰にでも起こりうること」だということ。

これは、「普通」を手放さざるを得なかった人間の、壮絶な生き様の物語。
そして、他の何を手放したとしても、唯一奪われることなかった深い愛のために起きた悲劇の、一部始終です。

この事件によって紐解かれる加賀恭一郎の家族の真相も、また切ないです。
でも、こちらには救いがあるので、今回の事件の悲惨さを中和する役割も担っていたのではないかと思います。
事件単体の物語であったら、やり切れなさ過ぎて、しんどかったかも…。
その辺り、やっぱり東野圭吾さんは上手いな、と感心します。

上手いと言えば。

こんなシリアスな作品の中にも、クスッと笑えるシーンをさり気なく散りばめてあるのも、脚本家さんの腕だなと感じました!
捜査過程では程よく肩の力も抜かせて、最後は一気に盛り上げる、そんなメリハリも効いた脚本でしたよ(*^.^*)

調べてみたら、脚本は李正美(り・ちょんみ)さんという方みたいですね。
2014年にデビュー(?)したばかり、代表作も2016年放送の連ドラ「せいせいするほど、愛してる」くらいしか出て来ませんでした。
連ドラは見てなかったんですが、この経歴からすると大抜擢と言っても良いのでは?
で、しっかり結果も残しましたね!
今後が楽しみな脚本家さんです(*^-^)b

上手いと言えば、もう1人。

松嶋菜々子さん演じる浅居博美の14歳時代を演じた、桜田ひよりさん(^-^)
大変な演技が多かったと思うのですが、所在なさげな雰囲気がとても良くて、すごく印象に残りました!

とにかく、素晴らしい作品です!!

シリーズのファンの方は、言われなくても観ると思いますし、それが正解。
この映画で初めて「新参者」シリーズを観る方は、冒頭でも書きましたが、レンタルショップでも動画配信サービスでも何でもいいので、これまでのシリーズを急いで観てから劇場へGO!です(^O^)/


kagamiko的評価
★★★★★