瀬戸口 烈司(哺乳類古生物学) | 科学カフェ京都(特定非営利活動法人)

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◆◆ 科学カフェ京都 第115 回定例会 ◆◆



日時: 2015年 2月14日(土) 2時~4時30分


話題: 「“若狭湾津波”神話の形成と崩落 」


講師: 瀬戸口 烈司 先生
(京都大学名誉教授、青少年科学センター所長、専門:哺乳類古生物学)
http://itooka.net/cafe/115th.jpg
http://www.edu.city.kyoto.jp/science/
http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/collection/museumF/news/past/no16/16setoguchi.html


会場: 京都大学理学研究科セミナーハウス
http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=473
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_n.htm
(上記地図の番号10の建物です)


概要:
2011年3月11日に、いわゆる「3・11」と称されるようになる「東北地方太平洋沖地震」が起きた。その地震にともなって発生した津波によって、福島県を中心にした太平洋岸が甚大な被害に見舞われた。その2ヶ月半後の5月27日付けの朝日新聞(大阪本社版)は、天正年間の1586年に若狭湾で津波が発生し沿岸部で多数の死者が出ていることがふたつの文献に記録されている、と報じた。その文献とは、京都の吉田神社に伝わる「兼見卿記」と、宣教師ルイス・フロイスの「日本史」である。しかし、それらの文献には「波」が襲ったとしか記されておらず、「津波」という語は表れていない。日本海には低気圧の発生にともなって、「高波」はしょっちゅう生じている。天正年間に若狭湾に生じた「波」は「津波」ではなく「高波」の可能性がつよい。そのことを、地質学の立場から検証する。


参考: