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(問題) (東京理科大2011 改題)
説明文が示す金属元素を答えなさい。

①地殻中に炭酸塩や硫酸塩として多く存在する。酸化物は生石灰と呼ばれ,水と反応して多量の熱を発生することから,発熱剤として用いられる。

②原子は2個の価電子をもち,2価の陽イオンになりやすい。両性元素であり,単体は酸や強塩基と反応して水素を発生する。また,酸化物・水酸化物いずれも両性である。

③単体は電気伝導性が大きく,電線などの電気材料に広く用いられる。また,湿った空気中で錆びる。化合物では酸化数+1および+2の状態をとる。

④周期表の2族元素で,この元素の酸化物・水酸化物は水にほとんど解けないが,硫酸塩は水に溶けやすい。

⑤周期表の6族元素で,単体は銀白色の光沢をもち,空気中では酸化されにくい。ニッケルとの合金は電気抵抗が大きく電熱線に用いられる。化合物では酸化数+2,+3,+6などさまざまな状態をとる。

⑥単体は灰白色で,金属の中では比較的柔らかく,融点は高い。この元素の2価および3価の陽イオンを含む水溶液は淡緑色および黄褐色をそれぞれ示す。

(解答)
①これは「生石灰」という単語で即座にカルシウムと答えられないといけない(笑)。他の記述は確認のためということで。

②2価の陽イオンだから2族?…と読み進めていくと,両性元素に注目。とりあえず,Al,Zn,Sn,Pbが思いつく。この中で最も2価の陽イオンになりやすいのは亜鉛である。(スズ・鉛の価電子は4。ただし酸化数+2はとる)

③電気伝導性が大きいのは,銀・銅・金の順。この中かな…と思いながら読むとが適当。銅のさびは緑青という。

④アルカリ土類金属の硫酸塩は水に溶けにくいことを思い出す。アルカリ土類金属でないマグネシウムが正解。

⑤6族から考えてはいけない(笑)。電熱線の記述は,ニクロムのこと(ニッケル・クロム。二クロム酸とは違う)である。そして原子番号を指折り数えると確かにクロムは6族だ。二クロム酸・クロム酸の酸化数は+6です。

⑥酸化数とイオンの色で即座にと答えられるだろう。「比較的柔らかい」に違和感を覚えるかもしれないが,硬い鋼は微量の炭素を含んでいる。炭素がなくなると,柔らかくなる。