なかなかこの映画を一気に観る時間が取れず、3回に分けて鑑賞したんですが全く問題なし。
最初から最後まで一気に観て終わり、ではなく、その時々の自分の感じ方や解釈を楽しむ、人生語る系じわじわ型の映画でした。
冒頭に出てくるフェデリコ・フェリーニ監督の「道」がこの映画を象徴しているんでしょうね。
10年後にもう一度観たら、また違う感想を持つんだろうなと思います。
息子が山奥の学校に通っていた頃、木の葉っぱや花の色など、山の景色が毎日違うことに驚きながら送迎をしていたんですが、人間関係も毎日少しずつ形を変えながら成り立っていて、ふとした瞬間にバランスが崩れる、これを四季のように繰り返すんだなぁなんて、観終わったあとぼんやり考えていました。
何ヶ月、何年も入院していた子供を持つ親あるあるだろうと思うのですが、毎朝子どもに「起きてー」と言える奇跡、家族揃って晩御飯を食べられる奇跡、一緒にゲームをしたり話をしながらリビングでくつろげる奇跡、毎日の奇跡の連続なわけですが、これこそ日日是好日なんでしょうね。
いろんなことを覚悟しつつ、五感をフルに使いながら、今日という日を愉しむ。
水の流れる音や、蝉の声、風のささやき、木々の間から差し込む光なんかを楽しめる人はきっと楽しめる、素敵な映画です。
これから、「最後から二番目の恋」をTVerで総復習します。