『カフカ俳句』??? | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

新刊『カフカ俳句』
 
なんだそれは???
と思われた方も多いでしょう。

カフカの創作ノートや日記には、
「鳥籠が鳥を探しにいった」
などの、たった1行だけの言葉があちこちにあります。

それらの断片がとっても好きで、
自由律の俳句のようだなあと思っていました。
たとえば、

まつすぐな道でさみしい 山頭火
咳をしても一人 尾崎放哉

みたいな。


また、カフカの日記や手紙の長い文章の中にも、
たとえば、

「道は遠く、力は小さく」
(フェリーツェへの手紙)

というような、とてもひきつけられる言葉が出てきます。
でも、長い文章の中だと、さっと読み流してしまいがちです。
そこで、そこだけ取り出して、俳句して味わってみては、と思いました。

というわけで、
そうしたカフカの言葉たちを、
創作ノート、日記、手紙、断片、メモ、小説などから選び出し、集めてみました。
全集以外では、出合えない言葉も多いです。
なお、五七五に訳すようなことはしていません。あくまで、カフカの言葉そのままを、俳句として味わってみるという趣向です。

出版社のサイトはこちらです。

『カフカ俳句』
フランツ・カフカ 著
頭木弘樹 編訳
中央公論新社
 
 

 

 

 

 

 

 

装幀 櫻井 久

装画・挿絵 高橋あゆみ

 

 

ちょっと小ぶりで、
カバーの紙はしっとりした手ざわり、
本を開いたときのやわらかな手応えも、いい感じです。
特色の青がキレイ。
ぜひ手にとってみていただきたいです!

https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/11/005854.html