日本で最初の「ニート文学」!大正七年『中学世界』という受験雑誌に掲載さる! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

日本で最初の「ニート文学」

 

大正七年、『中学世界』という受験雑誌(当時の中学は今の高校)から原稿を依頼された宇野浩二は、あろうことか、頑張って大学まで出たけどニートになってしまうという小説を書きました。

しかもそれはほとんど自分自身の実話。

 

働かずに、押し入れから通りを観察したり、なぜか家の中で幅跳びをしたりしている主人公の姿には、むかつく人もいれば、笑える人もいれば、共感する人もいれば、せつなくなる人もいるでしょう……。

ともかく、ニート小説は、その最初から、凄い名作です!

 

『屋根裏の法学士』というタイトルで、

新刊アンソロジー『ひきこもり図書館 部屋から出られない人のための12の物語』(毎日新聞出版)に収録しました!

江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』を思い出す人もいるでしょう。それもそのはずで、じつは江戸川乱歩は宇野浩二の小説の愛読者だったんです!

 

 

私、大学三年で病気になったので、就職できず、ずっと無職でした。

病院に行くバスの窓から、外を歩く人たちを見ていて、みんな仕事を持っている感じで、ああ、みんな仕事があるんだなあと思うと、ほんと不思議な気がして、驚き、圧倒されていました。みんな、すごいなあ……と。

 

だから、世の中に、宇野浩二の『屋根裏の法学士』のような小説があるのは、救いでした。

働かないことを、こんなに面白く書ける人は、そうそういないと思います。

ぜひ、お読みになってみてください📖

 

 

ひきこもり図書館 部屋から出られない人のための12の物語

 

 

 

 


今年、最初の本です📕

1月末に出ます。

予約受付中なので、ぜひよろしくお願いいたします!

 

 

私の13年間のひきこもりの経験から、

これぞという名作を集めました!

 

難しいだろうけど、ぜひに、

と願っていた作品も収録できました!

 

なお、

私も最近まで知らなかったのですが、本は予約数が大切とのことなので、ずうずうしいお願いで大変恐縮ですが、もしよかったら、ご予約をお願いいたします🙏

 

 

もちろん、ネット書店さんだけでなく、お近くの実書店さんでご予約いただけると嬉しいです<(_ _)>