落語は世界遺産!『三方一両損』はじつは江戸生まれではなく、インドの生まれ! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

『三方一両損』という落語は、

「落とした金はもう自分のものじゃあない。拾ったお前にやる」

「拾った金を自分のものにできるか!」

という江戸っ子二人の喧嘩を

大岡越前が裁く噺で、

江戸生まれとしか思えません。

 

でも、じつは、

元をたどると、江戸の『大岡政談』→大阪の井原西鶴の『本朝桜陰比事』→京都の『板倉政要』→中国の漢訳仏典『五分律』→インドの仏典なのです。

他方ではシルクロードを通って中東に伝わり、さらにヨーロッパに広がっています。

 

ただ、今、世界のどこを探しても、これを現役の語り部が、語っているところはありません。

日本の落語だけです!落語だけが、この世界中に伝わった面白い物語を、現役の語り部(噺家)が、現役の仕事として、観客を集めて、語っているのです!

これはすごいことです。

 

日本人は、今も落語が存在して、ごく普通に、口から口に語り継がれてきた世界中の面白い物語を、語って聞かせてもらえるということに、もっとびっくりしてもいいのではないかと思います。

「日本にだけまだ恐竜が生きている」というのと同じくらい、すごいことだと思います。

 

『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)

https://hanmoto.com/bd/isbn/9784480436887

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480436887/

 

落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ (ちくま文庫)

 

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この本についてのお知らせを、このページでまとめてあります。

(今後も追記していきます)

https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12610296527

 

どうかよろしくお願いいたします🙏

 

 

……

 

 

ほぼ同時刊行のもう1冊の新刊です。

こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

 

食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)

 

2冊、同時期の刊行となってしまいましたが、

この後は、また当分、本は出ません。