『三方一両損』という落語は、
「落とした金はもう自分のものじゃあない。拾ったお前にやる」
「拾った金を自分のものにできるか!」
という江戸っ子二人の喧嘩を
大岡越前が裁く噺で、
江戸生まれとしか思えません。
でも、じつは、
元をたどると、江戸の『大岡政談』→大阪の井原西鶴の『本朝桜陰比事』→京都の『板倉政要』→中国の漢訳仏典『五分律』→インドの仏典なのです。
他方ではシルクロードを通って中東に伝わり、さらにヨーロッパに広がっています。
ただ、今、世界のどこを探しても、これを現役の語り部が、語っているところはありません。
日本の落語だけです!落語だけが、この世界中に伝わった面白い物語を、現役の語り部(噺家)が、現役の仕事として、観客を集めて、語っているのです!
これはすごいことです。
日本人は、今も落語が存在して、ごく普通に、口から口に語り継がれてきた世界中の面白い物語を、語って聞かせてもらえるということに、もっとびっくりしてもいいのではないかと思います。
「日本にだけまだ恐竜が生きている」というのと同じくらい、すごいことだと思います。
『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)
https://hanmoto.com/bd/isbn/9784480436887
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480436887/
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この本についてのお知らせを、このページでまとめてあります。
(今後も追記していきます)
https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12610296527
どうかよろしくお願いいたします🙏
……
ほぼ同時刊行のもう1冊の新刊です。
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
2冊、同時期の刊行となってしまいましたが、
この後は、また当分、本は出ません。