月刊「みすず」8月号(8月4日発売)から、
「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」
という連載が始まりました!
その巻頭に、このようにカフカの言葉を引用しました。
このカフカの言葉は、
じつはもっと長いものの一部なので、
その全体をご紹介しておきます。
ぼくは思うんだが、
ぼくらはそもそも、
自分を咬んだり刺したりする本だけを読むべきではないだろうか。
ぼくらが読んでいる本が、
頭をガツンと一撃して、ぼくらを目覚めさせてくれないなら、
いったい何のために、ぼくらは本を読むのか?
君の書いているように、
幸福になるためか?
いやはや、
本なんかなくても、
ぼくたちは幸福になれるだろう。
それに、
幸福になるための本なら、
いざとなれば、ぼくたち自身でも書ける。
いいかい、必要な本とは、
苦しくてつらい不幸のように、
誰よりも愛している人の死のように、
すべての人から引き離されて森に追放されたように、
自殺のように、
ぼくらに作用する本のことだ。
本とは、
ぼくらの内の氷結した海を砕く
斧でなければならない。
ぼくはそう思う。
1904年1月27日(20歳)オスカー・ポラックへの手紙
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この連載に関しては、
より楽しんでいただけるよう、
今後もこうしてブログで補足をしていこうと思っています。
……
新刊が二冊出ました!