今夜!【ラジオ出演のお知らせ】深夜28時(25日月曜午前4時台)『絶望名言 小泉八雲』! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

【ラジオ出演のお知らせ】

本日24日(日)の深夜28時(25日月曜午前4時台)

NHK「ラジオ深夜便」で、

『絶望名言』の放送があります!

 

今回は小泉八雲の名言をご紹介します。

http://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/2b7.html

 

こちらでお聞きいただけます。

https://www.nhk.or.jp/radio/player/

 

どうぞよろしくお願いいたします!

 

 

私、小泉八雲が大好きで大好きで…。

妻の小泉セツさんが、八雲が亡くなった後に語った『思い出の記』を聴いたら、誰でも小泉八雲を好きにならずにはいられないと思います。

こちらに無料の朗読音源がありますので、よかったらお聴きになってみてください。

https://twitter.com/hinerdio/status/1109587716121886722

 

「ある夕方、私が軒端に立って、湖の夕方の景色を眺めていますと、直ぐ下の渚で四五人のいたずら子供が、小さい猫の児を水に沈めては上げ、上げては沈めして苛めて居るのです。私は子供達に、御詫をして宅につれて帰りまして、その話を致しますと『おゝ可哀相の小猫むごい子供ですね――』と云いながら、そのびっしょり濡れてぶるぶるふるえて居るのを、そのまま自分の懐に入れて暖めてやるのです。その時私は大層感心致しました」

小泉セツ『思い出の記』

 

 

「ある晩ヘルンは散歩から帰りまして『大層面白いところを見つけました、明晩散歩致しましょう』との事です。月のない夜でした。宅を二人で出まして、淋しい路を歩きまして、山の麓に参りますと、この上だと云うのです。草の茫々生えた小笹などの足にさわる小径を上りますと、墓場でした。薄暗い星光りに沢山の墓がまばらに立って居るのが見えます、淋しいところだと思いました。するとヘルンは『あなた、あの蛙の声聞いて下さい』と云うのです」
『思い出の記』小泉セツ