新刊『絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語』河出書房新社
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/978430902766
収録作品をひとつずつご紹介していこうかと思っています。
まずは、山田太一 のエッセイ「断念するということ」。
これはじつは、山田太一が選者の『生きるかなしみ』(ちくま文庫)というアンソロジーの序文です。
他のアンソロジーの巻頭の選者の序文を、自分のアンソロジーの巻頭に収録したわけです。
むちゃくちゃです。山田先生に収録をお願いしたときにも、「えっ!」と驚かれました。
そんなむちゃをしてでも、どうしても載せたかったほど、私はこの文章が好きです。
「夢を追いかけることは素敵!」「夢をあきらめないことは素晴らしい!」という正論に対して、「本当にそう言い切ってしまっていいのか?」と首をかしげる気持ちはあっても、どう言葉にしていいかわかりませんでした。
それをこの文章は見事に、すばり書いてくれています!
もやもやしていた気持ちがすごくすっきりしましたし、現実が少しちがって見えてくるようになりました。
少しでも多くの方に読んでみていただきたいです。
とくに、夢をあきらめたことが心の傷になっている方には…。
ちなみに、クリップでとめた紙みたいになっているのは、前フリの文章で、書店さんのPOPをマネしたつもりです。「絶望書店」なので。