大晦日のカフカの言葉…… | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

大晦日、

家族といっしょににぎやかに過ごしている人もいれば、

ひとりきりで、いつもと何の変化もない人もいるでしょう。

この時期はとくに差が激しいです。

さびしいと思わない人もいるでしょうが、

さびしいと思ってしまったら、

こういう時期は本当に、

やりきれないほどさびしいと思います…。

 

 

大晦日のお祭り騒ぎが四方八方で始まった。 

通りや橋の上の叫び声、鐘の響きと、時を告げる時計の音。

 おかげで、ぼくはすっかり落ち込んでしまった。 

捨てられた犬のように、悲しい気持ちで横たわっている。 

ぼくはただ天井ばかりを見つめている。 

それがぼくにはふさわしく思える。 

(カフカ)