いよいよ今夜放送です!『絶望名言ミニ』の2回目!(古今亭志ん生のご紹介) | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

いよいよ今夜放送です!

『絶望名言ミニ』の2回目。

NHK「ラジオ深夜便」で、夜11時30分過ぎから15分間。

http://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/2a3.html

 

こちらからお聴きいただけます。

http://www.nhk.or.jp/radio/player/?ch=r1&area=tokyo

 

今回は「古今亭志ん生」の絶望名言です。

「誰それ?」という方は、こちらの紹介番組をどうぞ。

 

 

 

 

こちらの落語も短いですから、どうぞ。

 

 

とにかく、古今亭志ん生の貧乏ときたひには、桁外れです。

家賃のいらない長屋があると聞いて、喜んで引っ越すのですが、それにはちゃんと理由があります!中には逆にお金をもらって住んでいた人もいたというくらい。それこそ落語の中にしか出てきそうもないシュールな長屋です。現実、恐るべしです。

 

その頃の志ん生のあだ名が、「貧乏神」というのはまだしも、「うわばみの吐き出され」。うわばみというのは人も飲み込むような大きなヘビのこと。それが吐き出したような見た目だというのですから、さすがに落語家仲間で、ひどいあだ名をつけるものです。かわいそうなのは奥さんと子供で……。

 

当時としては、もう寿命がつきかねない年齢になっても、さっぱり売れず、ある人は、みすぼらしい志ん生が、こたつでうとうとしている姿を見て、「ああ、この人はもう、いいこともなく、このまま死んでいくんだろうなあ」と、ほろりとしたそうです。

 

そこからじつは、さらなる悲惨が待っているのですが……。

それをなんとか生き延びた後は、大名人として不動の名声と人気を得るようになるのですから、わからないものです。

今でも、志ん生がいちばん好きという落語ファンは多いです。