【ラジオ出演のお知らせ】
22日(日)の深夜(23日月曜日の午前4時台)に、
NHK「ラジオ深夜便」の『絶望名言』の放送があります!
今回は「川端康成」の絶望名言をご紹介します。
よかったらお聴きください。
http://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/2b7.html
ネットで無料でお聴きいただけます→
http://www.nhk.or.jp/radio/player/?ch=r1&area=tokyo
私は、川端康成のことを、伊豆で踊り子といちゃいちゃして、雪国で芸者といちゃいちゃして、「日本は美しい」とか古都で言っている人だと思っていたので、まるで興味がなかったのですが、『百年の孤独』のマルケスが絶賛していて、へーっと思って読んだら、とんでもなく面白い人でした!
私の初アンソロジー『絶望図書館』(ちくま文庫)でも、川端康成の「心中」という、たった3ページの小説を収録しましたが、あの星新一が「とても書けない。何度うまれ変ったって、これだけはむりなようだ」「こんな作品が古今東西ほかにあるだろうか。存在すべきでないものを見た思い」と驚嘆してます。
父も母も川端康成が3歳になるまでに亡くなり、祖母も7歳のときに亡くなり、4つ上の姉も10歳のときに亡くなり、16歳のときに最後の身内の祖父も亡くなります。そして、ひとりに。『葬式の名人』という作品もあるほど。孤児という生い立ちによる歪みが自分にはあるのではとずっと気にしていた人です。
身内の死というのは、誰しも経験しないことは難しいわけですが、川端康成ほどそれを経験している人はなかなかいないのではでしょうか。
そして、身内が誰もいないという孤独。
目が見えなくて寝たきりの祖父を、16歳でひとりで介護していたときの『十六歳の日記』という日記もあります。