墨田区立図書館ティーンズページの8月のオススメ本に選んでいただきました! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

「絶望名人カフカ」頭木ブログ

『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

墨田区立図書館ティーンズページでは、
毎月1冊、担当者が、
オススメ本を選んでおれらて、
8月のオススメ本に、
『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』
を選んでいただきました!
オススメ本2014年8月─墨田区立図書館
ありがとうございます!

ゲーテやカフカというと、
難しそうに感じる方も少なくないかもしれませんが、
この本に関しては、まったくそういうことはないので、
10代、それこそ10歳でも、楽しんで読んでいただけると思います。
実際、読者ハガキは、12歳の方からもいただいております。

子供でも読めて、
大人が読んでも充分な読み応えがあり、
高齢の方が読んでも、物足りなくない。
そういう本は理想ではありますが、
現実にはなかなか難しいもの。

ちょっと考えると不可能にも思えます。
子供でもわかるように、やさしく書くと、
大人は「大人の読むものではない」と感じてしまいがちですし、
ご高齢ともなると、読む気がしないでしょう。

でも、それを見事に達成している本があります!
それは、落語家の桂米朝さんの
『落語と私』です。

落語と私/ポプラ社

¥1,404
Amazon.co.jp

落語と私 (文春文庫)/文藝春秋

¥494
Amazon.co.jp

この本はもともとは、
中学生向けの落語入門書として書かれたそうです。
しかし、
「子供向けにちゃんと書かれた本は、大人が読んでも面白い」
という法則通り、
大人が読んでも、じつに面白いです。
子供向けだから、物足りないなんてことはまったくありません。
レベルを落としたとか、おもねったとか、
そういうことではない、
最高の意味での「わかりやすさ」がこの本にはあります。
子供からご高齢の方まで、
すべての人が読んで、面白い本だと思います。

私はこの本に大変に感銘を受け、
自分で原稿を書くときも、
つねに参考にさせていただいております。

私の本も幸い、
10代の方から80十代の方まで、
とても幅広く読者ハガキをいただいております。

もちろん、『落語と私』には遠く及びませんが、
永遠の目標とさせていただくつもりです。