『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』デイジー作成される! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』の
デイジーが7月29日に作成されました!

デイジーというのは、
視覚に障害を持つ人のための録音図書です。

私は以前、一時的に目を悪くしたことがあって、
そのときは本が読めなくなって、とても困りました。
朗読やオーディオブックに興味を深めたのは、そのときからです。
電子書籍も、文字を大きくできるので、そのときから賛成派になりました。

ともかく、そういう経験があったので、
『絶望名人カフカの人生論』を書くときも、
『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』を書くときも、
「朗読したときにもわかりやすいように」ということを考えて全文を書きました。
(まぎらわしい同音異義語を用いないなど)

カフカもゲーテも朗読をこのなく愛する人たちなので、
そういう意味でも、朗読に適しているように訳すのは、
おかしなことではなく、
むしろ、そうすべきことでした。

そういう事情もあり、
このデイジーの作成によって、
視覚に障害のある方々にも、
『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』を聞いていただけるのは、
とても嬉しいことです。

録音時間 6時間22分
とあります。
大変なものですね。
作成には、ボランティアの方々の協力が大きな役割を果たしているようです。
誠に頭が下がります。

なお、デイジーについてさらに調べてみたら、
視覚に障害を持つ方々だけのものではなく、
「身体に障害があったり、発達障害などにより本を読むことがむずかしいかたなど、
 高齢者を含め、読書や学習する上でなんらかの障害のあるかたの読書をたすけるものとして、
 わが国でも普及が進められています。
 欧米先進国のDAISY利用者は、視覚障害者が約30%、その他の学習障害者が70%で、
 障害者に広く利用されています」
http://ictesfk.suppa.jp/daisy/ondaisy.html
とのことです。
なおさら、嬉しいことです。

サピエ図書館というところで、
借りられるようです。
資料詳細

ここで検索してみたら、
『絶望名人カフカの人生論』のほうはないんです……。
なぜでしょう?
タイトルのせいかな……。
『絶望名人カフカの人生論』もぜひ聞いていただきたいのですが。

ちなみに、
デイジーというのは、著作権と関係なく作成されます(多分)。
とてもいいことだと思います。
だから、私にも連絡はありませんでした。
この方のブログで知りました。
とある視覚障害者の読書(聴書)記録