JTA機内誌『Coralway』の「ネフスキーと宮古島」の記事に少し登場します! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

日本トランスオーシャン航空(JTA)機内誌
『Coralway』2013年 若水号(1/2月)
(1月1日~2月28日の間、機内に置いてあります)
の第2特集「ネフスキーと宮古島」
という記事に、少しだけ登場します。

この期間に飛行機に乗られる方は、
ぜひご覧になってみてください。


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先日、この記事のために、
『Coralway』の編集長と、
ノンフィクション作家の足立倫行さんと
沖縄写真の第一人者の垂見健吾さんが、
宮古島にいらっしゃいました。

私自身には、宮古島を案内する力はないので、
STAPANBIN CAFE Condiment BarのD介さんにお願いして、
みんなであちこち取材して回りました。

宮古島の郷土史研究会の方々にもお会いして、
お話をうかがうことができました。

とても貴重な体験でした。

ネフスキーについては、
このブログでも以前に書いたことがありますし、
月刊誌「望星(ぼうせい)」(発行:東海教育研究所/発売:東海大学出版会)
でも書かせていただいたことがありますが、
もっと有名になってほしいと、私が願っている人です。

日本の外からやってきて、
日本人が失いかけていたよさに気づかせてくれた外国人として、
古くはラフカディオ・ハーン(小泉八雲)、
最近ではドナルド・キーンがよく知られていますが、
もう一人、忘れてはならないのが、ネフスキーです。

ロシアから日本にやってきて、
日本に住み、日本の女性と結婚して、
北海道と宮古島の言語や文化を研究をしました。

なぜ北海道と宮古島かと言うと、
「日本の古語・古俗は列島の縁辺部に残っている」
という考えを持っていたからです。

私が宮古島に移住した理由のひとつはネフスキーです。
東洋文庫の『月と不死』には、
ネフスキーのしびれる文章が載っています。

「夏期過度の太陽の熱に苦しめられる者は(中略)
 月に心を向ける。
 静かな、青ざめた月の光は、これらの地方の住民を(中略)
 昼の太陽から遠ざけて、花やかな現実より、
 遠く離れたるものを思わしめ(後略)」

ネフスキーは、
1929年に当時のソビエト連邦共和国にいったん戻ったとき、
「日本のためにスパイ活動を行った」という冤罪で逮捕され、
妻とともに銃殺されてしまった、
悲劇の人でもあります。

今回の足立倫行さんによる記事はとても読み応えがあり、
垂見健吾さんによる写真は見応えがありますので、
ぜひ多くの方に記事をお読みいただければと思っています。

『Coralway』さんが、ネフスキーを取り上げてくださったのは、
大変に嬉しいことでした。
第1特集が沖縄美ら海水族館で、
第2特集がネフスキーですから、
驚きです。

ネフスキーについては、
次の4冊の本が出ています。

月と不死 (東洋文庫 (185))/平凡社

¥3,150
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完本 天の蛇---ニコライ・ネフスキーの生涯 (KAWADEルネサンス)/河出書房新社

¥2,940
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アイヌ・フォークロア/北海道出版企画センター

¥2,854
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『宮古のフォークロア』(弧琉球叢書3)