もうDVD化は無理なのかとあきらめていた「ナッシュビル」のDVDが発売に!!! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

ロバート・アルトマン監督の
「ナッシュビル」のDVDが、
ついに発売になりました!

ナッシュビル [DVD]/リリー・トムリン,キース・キャラダイン,カレン・ブラック

¥1,500
Amazon.co.jp

これをどれほど待ったことか!

20年は待ちました。
関東に出てきて、
自主上映会で最初に観て感動して、
その後、テレビの深夜放送でやったのを録画しましたが、
カットだらけ。
ビデオ化すらされず。
観ることが難しい状態が続きました。

同監督の「ザ・プレイヤー」や「ショート・カッツ」が少し話題になったときも、
「ナッシュビル」のほうがはるかに面白いのに、
当然ながら、若い人はあまり知らず。

最近になって、
CSで放送があって、
劇場でのリバイバル上映もあって、
期待が高まっていましたが、
ついにDVDの発売!

しかもいきなり廉価版で、
実売は991円!
もってけ泥棒の世界です。

安いせいで逆に軽く見られないか心配ですが、
これは本当に名作です。

いわゆる群像物の元祖と言っていいでしょう。
主人公が24人もいます。
大河ドラマとかでもそれくらいはいるかもしれませんが、
「ナッシュビル」の場合には、
ぜんぜん関係のない24人の人生が平行して描かれるのです。
たとえば、ある人物の話が続いていたかと思うと、
その人が他の人とすれちがうと、
そのまま、すれちがった相手にカメラがついていって、
その別の人の話になったり。
最初に観たとき、ここにしびれました。
チョコの人形劇や、上方落語の形式とも似ています。

ポール・トーマス・アンダーソン監督の「マグノリア」は、
完全にこの「ナッシュビル」の影響下にあります。

私はアルトマン監督では、
この24人も出てくる「ナッシュビル」と、
逆に登場人物がほぼ3人だけの「三人の女」が大好きです。
「三人の女」もDVD化されるといいのですが!