今、日本中で、
55万人もの人が必死になっています。
その一方で、
こっちはぜんぜん関係なくて、
いつもと変わらない日を送っていて、
読もうと思えば、マンガだって読める。
なんだか、ありがたいような気がします。
こっちはもう自分が受けたのが、
センター試験だったか、
まだ共通一次だったかも、よく覚えていません。
病院に入院して、
手術の日を待っているとき、
同じ病室の人が先に手術をしました。
その人は双子だったのですが、
手術のときは、
そのお兄さんだか弟さんだかがやってきて、
空になったベッドのそばで、
ずっとマンガを読んで笑ったりして待っていました。
同じ顔をした人が、
元気そうにスーツを来て、
マンガを読んですわっているのは、
奇妙な光景でした。
一方は、今、
お腹を切られて、
開けられているのですから。
手術を待つ身としては、
「当事者じゃない人は、
しみじはいいなー」
と思ったものです。
もちろん、
内心はわかりません。
のんきなわけではなく、
心配でたまらないから、
マンガで気をまぎらわせていたのかもしれません。
なにしろ、四時間も五時間も待つわけで、
ただ心配しているのも大変です。
今後も、看病とか、
金銭的な面倒とかで、
当人以外も大変だったりするかもしれません。
それでも、
やっぱり、
当人じゃないのはいいなー
と思ってしまいました。
それ以来、
どうも、
自分が当人ではないときには、
幸せを感じるクセがついてしまいました。
心の歪みで、いいことではないかもしれませんが。
そういうわけで、
今日も、
自分が当人でない幸せを、
ちょっと感じていたりします。
センター試験を受けている当人たちに、
ちょっと申し訳ない気持ちになりながら。