取材2日目! | 「絶望名人カフカ」頭木ブログ

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『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などの頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)です。
文学紹介者です(文学を論じるのではなく、ただご紹介していきたいと思っています)。
本、映画、音楽、落語、昔話などについて書いていきます。

東京での取材の2日目は、
まず雑誌H。
読者年齢がかなり高い雑誌です。
そういうところからも、
興味を持ってもらえて、
ありがたいことです。

じつは読者ハガキにも、
60代以上の男女の方からのものが、
けっこうあります。
80代の方からのものも何枚かありました。
嬉しい感想がびっしりと書き込まれていて、感激しました。
幅広い年齢の方に読んでいただけているようです。


その次が、
ラジオの収録でした。
これはもう放送日が確定しているので、
はっきり書きますが、
NHKラジオ第一の「ラジオあさいちばん」の
「著者に聞きたい本のツボ」
というコーナーです。
11月19日(土)の午前6時台に放送されます。
(10分程度の番組で、正確な開始時間はわかりません)
NHKの放送予定ページ

じつはこの番組には、
最近、安部公房の娘さんの安部ねりさんが出演されました。
11月5日のブログにも書きました。

その同じ番組に、
私も出してもらえることになったのです。
驚きましたし、光栄に思いました。

番組の方にお会いしたところ、
安部公房のファンで、
ねりさんに何度もお願いして、
ようやくの出演となったようです。

私も安部公房が好きなのをご存じで、
それで、そのすぐ後に呼んでいただけたそうで、
偶然でもなかったのです。
驚きました。

とても面白い方で、
ポジティブなばかりの啓発本は嫌いなんだとおっしゃって、
今回の本をとてもほめてくださいました。

この方には、教わるところも大きかったです。
「カフカは絶望を勧めているわけではない。
 そこのところをちゃんと言ったほうがいい」
と言われました。
たしかに、
「なぜ絶望の名言集を?」と質問されるので、
つい「そういう言葉の必要性」について熱心に語ってしまいます。
それはひょっとすると、
絶望を勧めているように、ネガティブの啓蒙書であるかのように、
誤解されるかもしれません。

マイクの前にすわらされ、
防音室なので、シーンとしています。
透明な窓の向こうではスタッフの方々が見つめています。
これは、どうしたって緊張します。

しかも、正直なところ、
土曜日の朝の6時台なんて、
聞いている人がいるのだろうかと思ったのですが、
なんと250万人が聞いているそうで、
そう思うと、頭は真っ白、口はカラカラです。

マイクの調整の間の雑談でも、
かみまくりで、
「シュールレアリスム」って、ちゃんと言えませんでした。

アナウンサーの野口博康さんは、
とても人をなごませる雰囲気をお持ちで、
それでずいぶん助かりました。

それでも、ずいぶんかみましたし、
うまくしゃべれませんでした。
言いたかったことは言わず、
言わなくてもいいことを言った感もあります……。

長めに話しているので、
なんとか編集でうまくごまかしていただくことを
願うしかありません。


さて、その後は、G通信へ。
ここでも、とても本に興味を持ってくださっていて、
「どんな人なのか会ってみたかった」と
おっしゃっていただけました。
しょうがない、会ってやろうか、ではなく、
積極的に会ってみたいと思っていただけているのですから、
ありがたいことです。


最後は、M新聞へ。
お話を聞いてくださった方は、
ご当人からうかがったのではないのですが、
他の人の説明によると、
少し前に、『蟹工船』という小説が、
ブームとなりましたが、
そのきっかけとなった記事を書かれた方とのことでした。
こちらがお話しするだけでなく、
いろいろとお話をうかがうこともできて、
今もそれが心に残っています。


この日はこれで終了。
またしても、気持ちが高揚して、
夢のような1日でした。