カフカの日記や手紙は面白いけれども、
現在は、翻訳が手に入りにくい、
と書きました。
それについて、
もう少し詳しく書いておきます。
Twitterでも質問もいただきましたし。
まず、新刊で入手可能のは、
これのみです。
カフカ最後の手紙/三原弟平訳

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ただ、これは少し特殊なものです。
原題は「1922年から24年にかけて両親に出された手紙」です。
1924年というのは、カフカの亡くなった年です。
つまり、最晩年のもので、病中のものです。
……
日記や手紙を読むのに最適なのは、
『決定版カフカ全集』全12巻(新潮社)です。
7巻が日記で、8巻から12巻が手紙です。
つまり、全集の半分が、日記と手紙です。
断片まで含めれば、全集の半分以上になります。
ただ、この全集はすでに絶版で、
古本でしか手に入りません。
それもかなり高値のようです。
決定版 カフカ全集/F. カフカ

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……
カフカ全集は、最新のものが、
白水社から、池内紀先生訳で出ています。
変身ほか (カフカ小説全集)/カフカ

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ただ、これは「カフカ小説全集」なので、
日記や手紙は入っていません。
じつに残念なことです。
……
他に、カフカの手紙が読める本としては、
これがあります。
もう一つの審判―カフカの「フェリーツェへの手紙」/エリアス・カネッティ

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エリアス・カネッティという人による、
カフカの評論ですが、
フェリーツェ(カフカと二度婚約して二度破棄した女性)への手紙が、
かなり引用してあります。
私はこの本で、カフカの手紙の面白さを知りました。
思い出の本です。
……
というわけで、
カフカの日記や手紙を
まとまったかたちで読むのは難しいのが現状です。
ただ、その面白さのエッセンスは、
今回の本に詰め込んだつもりです。
ほんの一部にはすぎませんが、
どんなふうに面白いのかは、わかっていただけるはずです。
絶望名人カフカの人生論/フランツ・カフカ

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