『絶望名人カフカの人生論』のまえがきの出だしを
引用させていただきます。
……
はじめに カフカの肖像──いかに絶望し、いかに生きたか
●心がつらいとき、本当に必要な言葉は?
世の中には、たくさんの名言集があります。
その中には、たくさんのポジティブな言葉があふれています。
たとえば、
(中略)
でも、本当に心がつらいとき、こういう言葉がはたして心まで届くでしょうか?
ただただ、まぶしすぎることもあるのではないでしょうか。
病気になったときに、健康そのものの人から、「大丈夫。治ると思っていれば治るよ」と励まされるように。
よく言われる「死ぬ気になれば、なんでもできる」という励ましにしても、心を消耗して、電池切れのような状態で、死を考えている人にとっては、「なにもできなくなったからこそ、死ぬ気になったんだ」と言い返したくなるかもしれません。
心がつらいとき、まず必要なのは、その気持ちによりそってくれる言葉ではないでしょうか。
自分のつらい気持ちをよく理解してくれて、いっしょに泣いてくれる人ではないでしょうか。
……
この病気のたとえは、
じつは、私自身の実体験に基づくものです。
それについて、これから少し書かせていただこうと思っています。