先方からオンライン面接のお誘いをいただいた。

 

さかのぼって求人応募。

 

海外で現地採用に申し込むわけで、当然妻に話さなければならない。

 

海外の求人に飛びつくこと。

ひとまずは離れ離れになること。

結果を出して呼び寄せたいこと。

中国語話者歓迎であること。

少しは自分の経験が生かせそうであること。

元々思い入れのある国であること。

日本のような終身雇用ではないこと。

 

もろ手を挙げて賛成とまではいかないが、応援してくれると。

自分もその国について勉強してみると。

 

履歴書に貼り付ける写真と撮るのを手伝ってくれた。

少しだけ修正を加えてそれなりに見栄えをよくしてくれた。

 

今の職場はいわばコネ入社で面接もなにもなかったので、

もう20数年履歴書なんて作ってなかった。

情報として知ってはいたが、オンライン上で作成して写真も添えて送信するのも初めてで新鮮だった。

職務経歴書なるものも初めて書いた。

 

そして、オンラインの面接。

使用媒体はzoom。

コロナ禍で一気に浸透した(よね?)zoomだが、私の仕事はリモートワークと無縁で、

オンライン飲み会なることもしたことがない。遠隔地で顔を見ながら話さないといけない友人もいない。

だいたいそんなの某SNSのビデオ通話で事足りる。

もちろんオンライン面接なるものも初めてだ。

 

面接前日にアプリをインストールして起動。妻と疑似面接などしてみた。

画面に映る自分の顔を見て、あらためて自分がオッサンであることを実感する。

 

面接当日、ドキドキしながらもなんとかできた。

仕事内容、待遇、住環境などの説明を受け、

こちらの事情や渡航日の希望を伝え、いい感じで終えられたと思う。

 

懸念材料と言えば、私の就活史上「若干名募集」の求人で一度も受かったことがないこと。

 

グサグサ攻撃されて結果を聞く前に「あ、こりゃダメだ」ってのはもちろん、

いい感じにやりとり出来ても不採用だったことは何度もある。

 

結果が届くまでの一週間は辛かった。

第一希望だったので、その間に他の応募をする気にもならない。

ダメだった場合、どんなモチベーションで次の就活に臨めばいいのかと。

 

中国語が出来るのだから、中国本土や台湾の求人に応募する手はある。

それでも東南アジアがよかったのだ。

 

そして一週間後にメールが来た。

失業して、再就職をめざして求人を漁る日々。

 

東南アジアの日系企業の求人を見つけた。

 

この歳でもオッケーな書き方だし、求める語学力のハードルも高くはない。

それでいて自分がある程度得意とする言語話者は歓迎と書いてある。

 

さて、私の語学力ってどんなもんだろう。

大学では中国語を学んだ。第二外国語ではなくて中国語を専攻とする学科で。

途中在籍したまま語学留学も経験していて、まあ普通に話せるグループには属していると思う。

 

ただし、学生時代(留学含む)の友人が凄すぎて、自身を過少評価しがちなのが玉に瑕。

だって、大学教授に証券マン、香港人と結婚して広東語ペラペラとか、とにかく凄いんです。

 

英語は中学生の頃は大好きな教科だったが、高校では面白くなかった。

落ちこぼれとまではいかないけど、もっと出来てたら大学受験の結果も違っていたはず。

もっとも、学生時代の思い出は素晴らしかったし、今でも仲良くしている友人はたくさんいる。

 

社会人になって、特に英語を重点的に学んだということはないが、自己流でそこそこ話せるようにはなった。

今回挑戦する東南アジア某国やその周辺国の文化に興味を持って、自発的に習得を志したのが奏功したのかも。

 

とはいえ、英検2級やTOEICなどを受けたこともなく、自分のレベルがどの程度かはわからない。

海外旅行でとんでもないトラブルにさえ遭わなければ、普通に一人旅をできるレベルだろうか。

 

そんなこんなで履歴書と職務経歴書を送ったその企業から返信が来た。

「ご応募ありがとうございます。オンライン面接しましょう」

ある日の終業後、社長に告げられた。

「会社、閉じることになった」

 

経理に携わっていたので近いうちにそうなるのだろうとは思っていた。

 

さあ、どうしようかな。

とりあえずいくつかの求人サイトに登録する。

とはいえ、年齢的に厳しい就活になるだろうとは思っていた。

 

共働きの妻が言ってくれた。

「手取り14万くらい持って帰ってくれて厚生年金かけてもらって、65歳まで頑張ってくれれば逃げ切れるよ」

今後資産が増えることは期待できないが、今の資産を減らすことなく老後を迎えられるという意味だ。

 

現状、この条件が厳しいのか易しいのかはよくわからないが、気張らずに仕事を探せというメッセージに救われた。

 

一方で、

「このまま定年まで淡々と働いて、たまの休日をささやかに楽しむ人生か」

「それでいいのかな」

「どうせ、今までと違う業種に就くのなら(同業種かもしれないけど)、環境を変えて挑戦したいな」

なんて考える自分もいた。

 

一応述べておくと、私は別に仕事人間というわけではない。

今の仕事が一番長く続いた業種だったけど、「これぞ我が天職」と思ったことはない。

もし、自分が資産家だったら、働かずにブラブラするのも苦ではないはず。

 

話を戻そう。

普通に過ごすことは悪いことではないし、その「普通」が簡単でないことは失業した自分がよくわかっている。

でも、年齢相応の賃金で普通に過ごすことが出来ないなら、ちょっと違うことしてみたくないですか。

 

そんな中、東南アジア某国の日系企業の現地採用の求人を見つけた。