シン・宇宙戦艦ヤマトはこうなる 完結編 | 波動砲口形状研究

シン・宇宙戦艦ヤマトはこうなる 完結編

前回、前々回でネタにした真鍋氏によるガレージキットの原型だが、結局ガレージキットとして販売されることはなかったようだ。

 

原型自体はどこへ行ったのかというと、スタジオカラーの打ち合わせスペースだ。先日のNHKプロフェッショナル仕事の流儀庵野秀明の回で一瞬映っている。

棚の右上、大和の上のアクリルケースの中だ。

 

なぜ原型だけで終わってしまったのか。原型ができたこと自体や、DVD特典でプラモデル化されたことで満足した、という要因もあるだろうが、それ以外の可能性をここでは指摘したい。

 

ゆりあんさんという方のツイッターを見ていただきたい。先ほどの棚のもう一段上とオフィスのPCの上それぞれに、2010年に出た1/500ヤマトのキットが飾られているのが確認できる。

 

 

庵野秀明が求めるヤマト像に共通する要素を列挙すると、

・上掲の絵のメモにもあるように、潜水艦のような丸い断面形

・ただし船の前半分に関しては縦長で、喫水線から上が高め

・ミサイル発射管は少なくとも2つは喫水線の上

・波動砲口はやや上寄り

という特徴がある。

 

2010年に出た1/500ヤマトはこうした特徴をほぼ備えている。

 

2008年にDVD特典のキットが出たわけだが、それから間もなく庵野秀明のもとにもこの1/500ヤマトの商品企画の噂が聞こえてきたはずだ。それがほぼ自身の好みに近いものだった、ということになれば、ガレージキット化の計画が消滅するのも不思議ではない。

 

いうまでもなく、といいつつ以前書いたことなのだが、2010年発売のこの1/500ヤマトは、その時点では公になっていなかったヤマト2199のデザインを利用したものだ。

 

つまり、このヤマトがガレージキットの原型と並んで飾られているという事実は、2199のヤマトデザインが、庵野秀明にとっても十分好みに合うヤマトであることを示している。

 

さて、ここでいよいよ「シン・宇宙戦艦ヤマトはこうなる 完結編」、という今回のタイトルに立ちかえろう。

 

結論を先に書くと、もしシン・ヤマトが実現するとするなら、それは2199の再編集・部分新作という形が最も現実的だ、ということだ。

 

理由についてだが、まず、今回の考察から庵野秀明はヤマトの造形に関しては、2199のモデルを受け入れるだろうと考えられる。

 

そして、無印1974年版以外のヤマトについて庵野秀明はほとんど興味を持っていないし、仕事が来ても食指を動かさないに違いない。

 

2199の資産を再活用すればゼロから無印を再構築するよりもはるかに時間とコストを節約でき、(監督が暴走しない限り)スケジュールも読みやすい。スポンサーにとっても好都合だ。

 

大口スポンサーのバンダイにとっては更に美味しい。一通りのメカはすでに製品化されているわけで、ありものの金型でもう一稼ぎできるチャンスになる。

 

またイスカンダルに行くのか、という問いに対しては、当のエヴァが同じ話を3回やってもなおちゃんと稼げた、という事実を提示したい。

 

 

ここからはより個人的妄想感が増すが、私としては、やるなら3部作くらいの映画でやってほしい。2時間の映画一本で往復してしまうと1年の旅をした感じが全くなくて、毎度物足りない。3部作なら間がある分その間も楽しめる。

 

そうなると後半になるほど制作は後ろにずれ込み、3部作はいつの間にか4部作になり、ガミラス星での闘いはほぼ完全新作になるかもしれないが、それはそれでむしろいいんじゃないだろうか。

 

と、こういう予想・願望めいたことを私が書くと普通に外れるのがお約束だ。まあ外れが明確になった時点で新たなる「こうなる」を書くことにしたい。「さらば」とか「完結」とかを冠しておきながら、しばらくしたらしれっとなかったことにして再開できちゃうのがヤマトのお約束なのだから。