アンドロメダの終着駅 | 波動砲口形状研究

アンドロメダの終着駅

アンドロメダには根強いファンが多いようだ。

最新型で強そうとひと目で分かる巧みなデザインは宮武一貴氏によるものだが、

 

 

その艦橋のデザインは当初こんな、主力戦艦と巡洋艦のパーツを組み合わせたようなものだった。

 

 

これを松本零士氏が今の形に修正した。

 

 

この艦橋デザインは一見異形なのだが、そのおかげでかえって目も惹くし、旗艦らしい王者の風格も感じさせる。さすがの修正だ。

 

アンドロメダはこうして宮武一貴と松本零士、二人の才気の輝きがクロスするところに生まれ落ちた。

 

その完成度の高さゆえ、アンドロメダの出発点となったこの設定図は、彩色され背景を付けられては本やポスターやプラモのパッケージなどに何度も何度も使いまわされ、アンドロメダのイメージの確固たる礎になった。

 

そしてそうであるがゆえに、静かなる迷走の出発点ともなった。

 

この絵はよく見れば微妙に歪んでいる。ヤマトのときと違って、私はこの歪ませ方に一貫した法則を見出すことができない。


さてその上で、立体物を作ろうとすると悩むことになる。

 

この絵から読み取れる情報を、「そのまま素直に受け取る」か「、絵の嘘と解釈」して補正を試みるか。

 

悩みのスタート地点が、側面のよじれだ。

 

 

この設定画を波動砲、艦首の羽根、側面バルジ、艦尾ノズルに注目して見ると、艦首にむかって徐々に反り上がっているように見える。

 

これは本当にそうなっているのか、それとも演出としての絵の歪みなのか。

 

こういうときに頼りにしたくなるのが三面図だ。早速側面図を見てみる。

 

アンドロメダには喫水線がないので、手書きの設定図のどこを水平の基準にするか難しいところなのだが、下部タンクの先端と後端を結んだ青い線を水平の基準としよう。

 

 

その線と平行に、ノズルの中心軸を通るように赤線を引くと、明らかにバルジや羽根はその線よりも高く、艦首に向って船が反り上がっていると読み取れる。

 

反り上がりは絵の嘘ではないのだ、よしこれで決着、と思いながら正面/背面図を見るとこちらは明らかに波動砲、羽根、バルジ、艦尾ノズルが同一軸線上にある。

 

 

 

こうしてアンドロメダの立体物を求めようとすると再び我々は相矛盾する三面図を手に路頭に迷うことになる…というところで項を分ける。