2199ヤマトは玉盛ヤマトなのか8 闇夜に乗り出す航海
正面図をめぐる謎については謎のままだが、とりあえず以前挙げた、玉盛氏はこうしたかったのでは、という要素が実現しなかった理由について考えると、
3.の舷側の張り出しについては、090410版正面図が主に参照されてしまったからという説を唱える事ができる。(事実かどうかは確かめようがないのであくまで仮説)
しかし1の砲口に関しては、どちらの正面図でもきちんと角が立っている。艦首という曲面に穴を開けて、こういう角を作るのは結構やりにくいといえばやりにくいが、出来ない相談ではない。
この要素が十分拾われていないのは、正面図が他の図と整合が取れないがために所詮は参考程度という扱いにされてしまったから、というのがひとつの可能性だ。
*2013年12月22日追記:
角が立っていないという図面からの乖離は、主にプラモデルで確認していたのだが、その後劇中でほぼ遠近感のない、三面図における正面図と同じ構図になるシーンを見つけ、劇中CGモデルの波動砲口は設定図の形状をほぼ再現していることが確認できた。リンク先を参照いただければ と思う。
したがって、設定図の波動砲口の形状が拾えていないという話は、プラモデル化の際に生じているもので、別の問題となってくる。
ただ、フェアリーダーと波動砲周りは、公開されている3面図程度では表しきれてないような微細な作りこみがされている。その部分のもっと詳細な図面があった可能性がある。そこでどんな指示をされいたか次第で話も違ってくるのだが、これも中の人でなければ伺い知る由もない話だ。
最後に2.の波除板下の折れ目。これは図できちんと指示を出していれば実現した可能性が高いと思うのだが、なぜかそのように描かれていない。090410版でも折れていると解釈するのは難しい線になっている。
側面図にもあるこのラインは折れを指示するつもりだったのではと思うのだが
結局それはパネルラインの一種として処理されてしまった。
この時点では玉盛氏は折れ目をあまり重要視していなかったのかもしれない。あるいは微妙なところだから他のところができてからバランスを見て折れ具合を決めればいいと思っていたのかもしれない。
このあたりもやはり「かもしれない」という以上の話はできない。
さて、私としては2199ヤマトが玉盛ヤマトとちょっと違うらしいと思い至って以来、歪めてしまったのは一体誰だ、というくらいの気持ちだったのだが、こうして追っかけてゆく中で次から次へと思わぬ事項に突き当たると、結局これは誰のせいとかいう問題ではないんだろうなあという気がしてくる。
リメイクは4,5年前の時点では実写映画や復活編との兼ね合いの中で浮き沈みしながらたゆたう先の見えない企画だった。そんな状態で形を与え命を与えする作業が行き届いたマネージメントの中で進むわけもない。
それぞれが2199を発進させるために尽力し、奔走する中で起きてきたことだという解釈でもなんにもおかしなことはないように思うのだ。
つじつまの合わない各種の資料の存在は、決して表に出てこない当時の状況の錯綜ぶりを偲ぶよすがと捉えるべきものなのだろうと思う。
そして、2199ヤマト成立の経緯を手がかりに真の玉盛ヤマトを探ろうという私の目論見もどんどん怪しくなってきてしまっている。
090410版と090511版は十分別物といえる形状でありながら、ともに玉盛氏が描いたラインでもある。氏のヤマト像は常にアップデートしている。その最新版は090511版正面図に見られる特徴を備えているのだろうという感じはするが、実はこれももう玉盛氏の中では古いヤマトかも知れない。
とはいえ、この090511版正面図をきちんと造形したらどうなるかは興味のあるところだ。それについては次回。
3.の舷側の張り出しについては、090410版正面図が主に参照されてしまったからという説を唱える事ができる。(事実かどうかは確かめようがないのであくまで仮説)
しかし1の砲口に関しては、どちらの正面図でもきちんと角が立っている。艦首という曲面に穴を開けて、こういう角を作るのは結構やりにくいといえばやりにくいが、出来ない相談ではない。
この要素が十分拾われていないのは、正面図が他の図と整合が取れないがために所詮は参考程度という扱いにされてしまったから、というのがひとつの可能性だ。
*2013年12月22日追記:
角が立っていないという図面からの乖離は、主にプラモデルで確認していたのだが、その後劇中でほぼ遠近感のない、三面図における正面図と同じ構図になるシーンを見つけ、劇中CGモデルの波動砲口は設定図の形状をほぼ再現していることが確認できた。リンク先を参照いただければ と思う。
したがって、設定図の波動砲口の形状が拾えていないという話は、プラモデル化の際に生じているもので、別の問題となってくる。
ただ、フェアリーダーと波動砲周りは、公開されている3面図程度では表しきれてないような微細な作りこみがされている。その部分のもっと詳細な図面があった可能性がある。そこでどんな指示をされいたか次第で話も違ってくるのだが、これも中の人でなければ伺い知る由もない話だ。
最後に2.の波除板下の折れ目。これは図できちんと指示を出していれば実現した可能性が高いと思うのだが、なぜかそのように描かれていない。090410版でも折れていると解釈するのは難しい線になっている。
側面図にもあるこのラインは折れを指示するつもりだったのではと思うのだが
結局それはパネルラインの一種として処理されてしまった。
この時点では玉盛氏は折れ目をあまり重要視していなかったのかもしれない。あるいは微妙なところだから他のところができてからバランスを見て折れ具合を決めればいいと思っていたのかもしれない。
このあたりもやはり「かもしれない」という以上の話はできない。
さて、私としては2199ヤマトが玉盛ヤマトとちょっと違うらしいと思い至って以来、歪めてしまったのは一体誰だ、というくらいの気持ちだったのだが、こうして追っかけてゆく中で次から次へと思わぬ事項に突き当たると、結局これは誰のせいとかいう問題ではないんだろうなあという気がしてくる。
リメイクは4,5年前の時点では実写映画や復活編との兼ね合いの中で浮き沈みしながらたゆたう先の見えない企画だった。そんな状態で形を与え命を与えする作業が行き届いたマネージメントの中で進むわけもない。
それぞれが2199を発進させるために尽力し、奔走する中で起きてきたことだという解釈でもなんにもおかしなことはないように思うのだ。
つじつまの合わない各種の資料の存在は、決して表に出てこない当時の状況の錯綜ぶりを偲ぶよすがと捉えるべきものなのだろうと思う。
そして、2199ヤマト成立の経緯を手がかりに真の玉盛ヤマトを探ろうという私の目論見もどんどん怪しくなってきてしまっている。
090410版と090511版は十分別物といえる形状でありながら、ともに玉盛氏が描いたラインでもある。氏のヤマト像は常にアップデートしている。その最新版は090511版正面図に見られる特徴を備えているのだろうという感じはするが、実はこれももう玉盛氏の中では古いヤマトかも知れない。
とはいえ、この090511版正面図をきちんと造形したらどうなるかは興味のあるところだ。それについては次回。