波動砲口形状研究 2. 波動砲の歯はどこにあるか 新1/500の謎 | 波動砲口形状研究

波動砲口形状研究 2. 波動砲の歯はどこにあるか 新1/500の謎

波動砲の歯がどこにあるべきかの流れで新1/500ヤマトの話。この新500の歯はフチからはっきりと引っ込んでいる。これは初代準拠を謳うなら不要なアレンジだ。

歯が引っ込んでいるならいるで、そのおかげでメカとしてのもっともらしさやそれらしさが加わるなど何か理由があれば納得できるのだが…。

メカニックモデルやメカニックファイルといった、ヤマトの内部機構を立体化した模型では、波動砲の砲身の先は外装に開けられた穴に内側から押し付けられるようにくっついている。

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波動砲の真ん中あたりで横一文字にカットして上から見たらたらこんな感じだ。

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このような構造があるなら、歯が外部装甲の厚みの分だけ奥まったところに見えるのも自然だ。
しかし、この構造とDVDや新500といった最近のヤマトの艦首の形状は相性が悪い。
最近のヤマトの艦首は細く、波動砲砲口からすぐに後ろへ急角度で流れる。

外部装甲に波動砲が差し込まれているなら、歯は少し後ろにあっても問題ない。しかしこの場合、艦首の細さ故に側面の外装の一部はペラペラになり、砲口周りで急に厚くなってしまう。このようにペラペラにした先でフチだけ装甲を厚く盛る合理的な理由はあるだろうか。

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細い艦首に関してのそれらしい解釈の手がかりを与えてくれるのがこの絵だ。

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この絵では波動砲周りの外装のうねりが他の部分と異なり、筒状の構造物として艦首にくっついているように見える。これは波動砲の砲身そのものが艦首になっていることを表しているのではないか。

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DVDでも新1/500でも艦首部分は波動砲は艦首外装と一体のパーツになっている。

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ヤマトの艦首を細く尖ったものだと捉えるなら、このように艦首=砲身として製造されていると解釈することもできる。

そしてそうだとすれば、波動砲のライフリングは先端まであるのが正しく、歯は砲口のフチにあるのが正しい。

無論これは仮説に過ぎず、外装と波動砲は別パーツであるとしてもいい。問題は新500の艦首の細さと、歯が引っ込んでいるという2つの特徴は相性が悪いということだ。艦首=砲口と解釈するなら歯が引っ込んでいる必要はない。砲口が艦首外部装甲に嵌っているなら、歯が引っ込んでいても不自然ではないが、今度はサイドの装甲がペラペラでフチのところで急に厚くなっているという不思議な構造だと解釈しないといけなくなる。

それを避ける最後の手段が図のようにフチが尖った砲身が外装に嵌っているという解釈だ。

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これなら艦首が細くてもいいし、歯が引っ込んでいてもいい。装甲の厚みも均一だ。やれやれ解決、新500の構造はこれだ…とも行かない。この新500の歯は下の方はあまり引っ込んでおらず、上の方ほど深く引っ込んでいる。

引っ込んだ分が外部装甲の厚みであるなら、波動砲の下側の装甲は非常に薄く、上側はものすごく厚いことになる。そんな奇妙な装甲板があるだろうか。

新1/500の歯を引っ込めるアレンジは、こうして考えるとどう解釈したらいいのか分からない。もっともらしさが増すどころか、考えるほどに混乱してしまう。誰も得しない形状だ。

誰も得しないと書いてしまったが、私は実は少しだけ得している。
フチに歯がないおかげで、ニコイチのせいで歪んだ砲口のフチを比較的楽に整えることができたからだ。ブログでは繋ぎ目だけ整えたように書いているが、無論そこだけ削っても砲の上辺のラインは綺麗につながらない。上辺が一本の綺麗な線になるようにフチ全体を削り整えなくてはならない。歯があったら歯と歯の間の地の部分をあちらを削りこちらを削りして揃えてゆかねばならなかったろう。難易度は数倍増していたはずだ。

歯を引っ込めてくれてバンダイさんありがとう!

でも本当に欲しいのは手を加えなくてもいい波動砲なんだよ…。