どの好き?
「スキだよ」
「何が?」
「お前が」
「どこが?」
「何がとか、どこがじゃなくて、好き!と思ったから好き!」
「あんたがアタシに言う好きって、毎日酒がうまいってのと、同じ?」
「んー・・・違うような気がするけど・・・」
「けど?」
「う゛・・・・好きと思ったから好きと言って悪いのか?」
「別に?」
「んじゃ、なんで怒ってるんだよ?!」
「別に怒ってないよ? 好きって言ってくれてありがとね 幸せだわ」
「それ・・・棒読みじゃね?」
「ありがとね 幸せだわ、と思ったからそのまま言っただけ、悪い?」
「だーかーらー! なんで怒ってるわけ?!」
「あんたの言う好きが、アタシの言って欲しい好きじゃないからかな?」
「よくわかんねーけど、好きだ!それ以上もそれ以下もそれ以外もない!」
「あっそぉ・・・ハイハイ」
「じゃあさ! どの好きなら機嫌治るわけ?」
「ってか、答えが答えになってないのがわかってなのがムカツク!」
「やっぱ怒ってるんじゃん・・・」
「でもさ」
「ぁんだよ?」
「少なくともアタシは、あんたのそういうとこが好き」
「その好きって、どういう好きなんだ?」
「ヴァ~カ!」
「えーーーーーーーーっ?!」