間質性肺炎の父(18) | 人間万事塞翁が馬

人間万事塞翁が馬

~単身赴任中の夫と、こども3人を育てる、40代専業主婦のブログ~
2022年にアメブロを開始して少しの記事をアップしましたが、介護や育児に追われて更新できずにいました。2024年これから本格的に更新していこうと思います。2022年にアップしたブログは一旦削除しました。

 

急性増悪を起こして、入院手続きをし、タクシーで帰宅。

 

実家にすぐに行き、母とあらためて話しをした。

涙が止まらなかった。

母は、「辛い思いさせて、ごめんね。悪かったね。」と入院につきそって、主治医と話しをした私を想って、そのように言ってきたのだけれど、私は付き添ったのが私で良かったと思った。

母だったら、放心状態だったろうと思う。

 

私から実家にいた姉に先生との話しの内容は伝えてあり、姉から母へ伝えてもらってはいたが。

母はショックが隠せなかった。

私もショックだったけれど、母のショックは大きかったと思う。

泣き崩れるというより、現実が受け止められず、茫然としていた。

 

急性増悪の治療が効果が無ければ、このまま亡くなってしまうかもしれないなんて信じられないといった様子だった。

 

私は、父の間質性肺炎という病気がわかってから、病気について勉強をした。本を買って読んだり、同じ病気で闘病されている方のブログを読み漁っていた。

急性増悪というものがどういうものか、間質性肺炎の急性増悪の予後など、少しは理解していた。

 

姉は、父の病気に対しての知識を得ることが怖いと言って、避けていたし、母はそのようなことはあまりしない。

 

病気の知識を持っていた私と、母と姉のショックは、愛する家族を病でうしなうかもしれないショックという意味では同じだけれど、少し違っていたように思う。

 

それと、父がこのまま退院できずに亡くなってしまうなどとは、誰も思っていなかった。

父は運が強い。

父が徳を積んだからか、父の先祖が徳を積んだからか、とくかく運が強いのだ。

 

急性増悪の入院後、私や母、時々姉が毎日お見舞いに行った。

入院はしていたが、差し入れの制限がなかったので、父の大好きな果物をカットして持っていったり、病院の併設のコンビニでプリンやゼリーを買って、オヤツに食べたりしていた。

 

もともと病気をしても食欲が落ちるタイプではなかったし、急性増悪で入院していても、とにかく食事は頑張って食べていた。

 

入院したのが月曜日。

翌週の水曜日に、病状説明があるとのことで、私が家族を代表して出席することになった。(2023年6月末頃)

母も姉も、私に任せるとのことだった。

 

水曜日の二日前の月曜日に、主治医から私の携帯に電話がきた。

病状説明の前に、娘さんに相談したいことがあるとのことだった。

 

病状は、低空飛行ではあるが、安定しているとのことだった。

急性増悪の治療に効果があったので、今すぐ亡くなってしまうような状況ではなくなったとのことだった。

父は頑張った。ホッとした。

 

現在の点滴を主にした治療から経口約での治療に切り替えができれば、すぐに退院が可能とのことだった。

 

ただ、高齢の母との二人暮らしで、娘さんが(私)近居でサポートしてくれると言っても家族の負担が大きいので、施設への入所をオススメしたいとのことだった。

家族から施設への入所を勧められることは、○○さん(父のこと)にとっては、非常にショックだろうと思うので、医師の立場として、お伝えしたいと思う。医療的な介入も必要なので、まずは施設で、体力が戻るまで、養生してから、帰宅するようにしましょうとお伝えしますとのことだった。

 

施設は、退院支援の担当者が探して、いくつかご案内しますので、見学に行ってくださいとのことだった。

 

母も父が退院してきて、母が24時間サポートする生活を不安がっていた。

私も、夫のサポートが得られて、もう少し子どもたちが大きければ、父と母のサポートができたと思う。しかし、夫は海外赴任中、こどもが3人いて、双子は幼稚園児。風邪も頻繁にひくし、そうなれば、病気を持っている可能性がある中で、父には近づけない。

姉も車で30分の距離に住んでいたが、仕事をしており、子供も小学生。

退院後に不安があり、現実的に厳しかった。

 

今、振り返ってみて思うのは、結局この後二ヶ月あまりで、再度急性増悪を起こして、父は亡くなってしまう。

そんなにすぐに亡くなってしまうなら、在宅でなんとか頑張れば良かったと後悔もしている。

でも、しかし、母の負担が大きすぎて、無理だったろうとも思う。

5月に母が慢性硬膜下血腫で脳の手術をしたばかりだったからだ。

 

急性増悪後に、退院後の生活について母と相談していたときに、父の余命がどれくらいなのかを、主治医に聞こうと思っていると話していた。母も、心づもりをしたいので、聞いて欲しいと言っていた。

 

電話の最後に、主治医に聞いた。

「半年だと思います」とのことだった。

 

お父様の年齢を考えると、再度急性増悪を起こす可能性が非常に高い。短期間のうちに急性増悪を起こしてしまえば、そのまま亡くなってしまうことが殆どですとのことだった。

 

それと水曜日の病状説明では、「急性増悪」という言葉を使って、説明をします。入院の際は、この言葉は使いませんでしたが、今後の大事なお話になりますので、この言葉を使わず病状をごまかすことはしたくないので。それと、ご本人から余命を聞かれた場合は、はっきりと隠さずお伝えします。ただし、本人から質問が無い場合は、本人が聞きたくないと思っているのだと判断して、こちらからはお話しません。とのことだった。

 

主治医の先生は、父の性格を理解したうえで、いつも寄り添ってくださった。

私や母の状況や生活を理解したうえで、先生が最善とおもう方向を示してくださった。

 

本当に、有難かった。