ふたつのオンライン | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

イギリスのおねえちゃんからメールが来ました。

あちらは同居していないと家族にも会いに行けない状態。

でもママは元気で頑張っているよ、

かのこと一平は大丈夫?というお便り。

大学でのお仕事ですごく忙しいはずなのに、

わざわざ連絡をくれてとても嬉しかった。

 

この騒動が起こってからママに電話するのを悩んでいたのです。

いつもならお手紙だけれどイギリスの

「急ぎでない郵便物は4日間くらい放置しましょう」

というような記事を見かけてから物理的なものを送るのは躊躇われ。

電話でこの特殊な状況下で何と言ったらいいのか迷いもありました。

でも「ママ元気」との速報が入ったらいてもたってもいられなくなって、

その日のうちに即電話。

 

「あら!かのこなの!声が聞けて嬉しいわ、元気?」

うん、私たちもママの知ってるみんなも元気よ。

今日おねえちゃんからメールもらったから電話したくなっちゃったの。

「私も元気よ、今アイロンがけしてたところ」

という会話から始まっていつにもない長電話。

国際電話が昔のように高くなくてよかった(笑)。

 

80歳になったママは2年前に引っ越したばかりの、

一人暮らしにはちょっと大きいと思えるおうちでイギリス国技、

庭仕事に精を出している様子。

そういえば先日ブライアン・メイさまも庭仕事でお尻を痛めたとか?

集合住宅も検討していたのにおねえちゃんのお勧め通り一軒家にして

お庭があってよかったね、おねえちゃんさすがだね。

「本当にそうなのよ、庭があってよかったわ。もうすぐバラの季節よ」

ああイギリスが最も美しい季節、見たいなー。

 

「買い物には行けているし、訪問看護師さんも来てくれていて、

支障のない生活をしているから私は大丈夫。

一平はかのこの、かのこは一平の面倒をよくみてあげてね」

そんな風に言うママは気丈に振舞っているけれど、

本質はとてもとても心配症。

心配かけないように元気でいるから、ママも元気でいて。

 

そんな電話と前後して、友人一家からリモート飲み会のお誘いが。

え?存在は知っていたけどまさか自分たちがやることになるとは。

発案翌日にさっそく開催することになりました。

事前のお昼の接続テストですら喋り倒してしまって、

「ちっともリハーサルじゃない!本番みたい!」と双方大笑い。

 

仕切り直して夕方には食卓とカメラを前に5人が勢ぞろい。

今日のご飯はこれでーす、と食卓の紹介から入るのも新鮮。

驚いたのは想像よりもずっとスムーズに会話ができること。

音声が途切れることは少しあっても支障にはならない範囲。

もっと懐かしの昭和の衛星通信みたいにタイムラグが発生して

もごもごすると思ったのに、会って話すのとそこまで変わらない。

こんなものがフリーソフトでできるなんて、

すごい時代に生きてるなあとしみじみしました。

 

もうじき5歳の娘ちゃんは会う時と同じく最初はちょっとはにかみ気味。

モニター越しの会話になじんでくるとだんだんテンションが上がって、

お稽古中のバレエを披露してくれたり、

おとうさんを巻き込んで可愛いペアダンスを見せてくれたり。

時々背後に映り込むわんこさんもカワイイしで。

もう!なにこの癒し!

娘であるところのRちゃんが可愛いのはもちろんだけれども、

おとうさんのYくんが思いのほかチャーミングな踊り手でほっこり。

Rちゃんが大喜びしながらYくんにまとわりついているのを見るだけで、

お酒が進むね!(←私は呑めないけど)

クールビューティーおかあさんAちゃんは

「毎日こんな大騒ぎですよ~」

と笑っているけれど親御さんたちもお子さんたちのために

いろいろ工夫したりでそれが長期にわたっていて大変ですよね。

私たちはいいところだけおすそ分けしてもらったみたいで申し訳ない。

 

なんだかんだでRちゃんの就寝時間直前まで楽しく2時間もお喋り。

お誘いいただいたことも嬉しい驚きでしたし、

バーチャルな接触がこんなに楽しめることにびっくりもしました。

普段は寂しくひとり呑みの夫もYくんAちゃんにお付き合いいただいて

久しぶりの楽しくて美味しいお酒だった模様。

お三方ともありがとう、早く会えるようになりますように。

 

期せずして同時期に体験した新旧ふたつのオンライン。

友人が少なくて人付き合いが悪く、連絡不精で出不精の私。

人との交流はこの1か月以上ほぼ夫のみという状況を、

それほど苦にしていたつもりはなかったけれど。

それでも人との接触がこんなにも嬉しく楽しいものなんだなと、

今更感満載で改めて思いました。

どちらのコンタクトも少し張りつめた気持ちを和らげてくれて、

電話でも画面越しでも優しくお付き合いしてくれる人たちに感謝です。

そして離れていてもコンタクトのとれる環境にあることがありがたい。

心置きなく再会する日を願うばかりです。

 


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