ご無沙汰と初体験 | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

急に予定がぽっかり空いた平日。

そうだ!髪を切りに行こう。

給湯設備に不安のある地に出かけるし、

いい加減このお尻まで届く髪をなんとかしなければ。

 

いつもの美容院に予約の電話を入れたら。

「あーかのこさん!やだー久しぶりー!」

……いやもうホントに割の悪い客でスミマセン、今日空いてます?

「午後はガラガラなの、いつでもどうぞー」

はいではよろしくお願いいたします。

 

私が高校生の時からお世話になっている美容師さん。

以来彼女以外のお方に髪を切ってもらったことはありません。

彼女がロンドンや香港で働いていた時にはじっと我慢でステイ。

私のずぼらっぷりをよく理解してくれていて、頼れるおねえさん。

お互い伴侶と知り合う前からのお付き合いなので、

なんならお互いの伴侶とのなれそめもリアルタイムで聞いているし、

一家で丸ごと出張美容室をしてもらっていたこともあったので、

下手な親戚よりも相手のことを知っているかも。

そんな彼女が一人で切り盛りするお店にでかけました。

 

「久しぶりー、元気だった?何年振り?」

ええと手術前にばつんと切ってもらったから4年……かな。

「ええー、そんなになる?……あ、ホントだ伸びたね」

ええもう合わせる顔もないほどで……。

椅子に座って切る前に熟女の近況報告弾丸トーク炸裂。

この後のお客さん、大丈夫なんです?

「雨だからかな、明日はぎっちりなんだけど今日はぽっかり」

それはお店には悪いけど、私はラッキー。

 

実は4年前のカットでも結構バッサリいっていて、

その時も頼もうか迷っていたことがありました。

せっかく長い髪を切るから寄付したいなと思っていたのです。

でも結構なお年寄りの髪だし白髪もあるしなーと逡巡していて。

よくよく調べたら白髪でも染めていてもパーマがかかっていても、

ウィッグ制作前にちゃんと処理するからおばさんの髪でもいい模様。

年の割には髪は健康だし、長くカットしていなくても枝毛もないし、

これならいけるかも?

 

あのー、ヘアドネーションって対応してもらえます?

「ウチは提携店ではないからここからは送れないけど、

自分で郵送してくれるならそれ用に切れるよ」

私の髪ってヘアウィッグの材料として耐え得ると思う?大丈夫かな?

「まったく問題ないよ、大丈夫」

じゃあ是非!お願いしたい!

 

寄付用の髪は何等分か(私は5分割でした)ゴムできつく縛って、

その少し上をドライのままカットせよとのこと。

長さは31㎝以上必要だそう。

「必要条件は十分だけど、どこまで切る?」

もう思い切ってバッサリいってください。

某ご長寿アニメのワカメちゃんばりに。

手術の前も確かこのくらいにしてもらったな。

とてもすっきり、頭が軽ーい、シャンプーが楽そう♪

 

切り終わった髪を束ねてみると思いのほか少ない。

なんだか頼りないようなボリューム。

ウィッグ制作をしているNPOのHPには

「ひとつのウィッグを作るのに20~30人分の髪がいる」

という記述がありましたがさもあらんという感じでした。

 

美容院を出た後郵便局のレターパックで即郵送しようと思っていたら、

時間はすっかり5時を過ぎていました(←喋りすぎ)。

彼女がビニールの袋に包んでくれた髪を鞄に入れて電車に乗って。

ボリュームが少ないと感じたとはいえ、

結構な長さの髪の束を持ち歩くというのはちょっと独特な雰囲気。

鞄の中からものを取り出すときに人が見たら怪しいと思われちゃう?

このまま死んだら「被害者は大量(でもないけど)の毛髪を所持」

とか言われちゃうのかしら?

そんなバカみたいな妄想をたくましくしているうちに、無事帰宅。

 

自分の切った髪を纏めてしみじみと手に取るというのも初めてのこと。

ああお前はさっきまで私の頭に繋がっていたのだね……という、

訳のわからない感慨が襲ってきて面白かったです。

それに翌日までどこに置くかも微妙に悩みました。

えっと……洗面所?居室?カエルのお供えコーナー?

切った髪は私にとっては浄と不浄の境目の分からないものでした。

きっと他人が見たら人によっては気持ち悪いものなんだろうな。

私にとっては私の一部だったものなのだけれど、だからこそ?

なんだか夫の目に触れさせることもためらうような

(本人はちっともそんなことは気にしていなさそうでしたけれども)。

でも喜んでくれるお子さんがいるなら不浄のはずはない、

と思いながら次の日に郵便局に行きました。

供給過多にならない限りはまた参加したいです。

 

私が送ったところは病気や怪我で髪を失った18歳以下の子供に

無償でウィッグを提供しているNPO。

毎日数十人からのヘアドネーションがあるようです、すごいですね。

もちろん髪だけではなくお金の寄付もできる。

作業も高度な技術を使いそうだし、

それぞれの子供に合わせた完全オーダーのようなので、

きっと制作にあたりたくさんお金もかかるはず。

髪だけじゃなくて、せめて自分の髪の分の作業費用くらいは

セットで現金(いくらくらい?)も寄付したほうがいいのかな?

 

ワカメちゃんカットには地味に弊害がひとつ。

前回も体験しているのにもう忘れていた自分の鳥頭を何とかしたい。

今まで数年間長い髪をねじってお団子にしていたので、

切ったラインにばっちりねじれ癖がついているのです。

「ワカメちゃんていうか、メルモちゃん(←古)だよ……」と夫。

ドライヤーは使わない、自分でブローなんてしたことのない私。

仕方がないのでしばらく50目前のメルモちゃんでいきます。

 


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