傷跡の変化 | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

来月で術後1年になるのですが、

ここ数カ月での傷の変わりようにちょっとびっくりしています。


私が傷に対してしたケアはテープを3カ月貼っただけ。

それも、貼りっぱなし→貼ったりはがしたり→日中だけ貼る、

と1カ月ごとにいい加減になっていく程度のものでした。

テープも傷跡を保護するような効能のあるものではなくて、

本当にただの「THE・ビニールテープ!」という感じのもの。

退院前に担当の先生が「かぶれてますね~」と、

「カブレス」(←すごいネーミング)というものに

貼り替えてくださったのですが。

これなんだか……医療用品って雰囲気がしません……。

工作なんかに使うビニールテープに近いような……。

「そうなの、工事現場(←本当にこうおっしゃった)で

使うようなテープがいちばんかぶれませんよ」

えええ?ホントですか?

にわかには信じがたいような(汗)。

肌のタイプも人それぞれですから一概には言えないでしょうが、

美人担当医のお説はそうでした。

流石にホームセンターに出かけて行って、

それっぽいものを入手まではしませんでしたけれど(笑)。

先生が貼ってくださったのと同じものを病院の売店で購入して、

ずっとそれを使い続けました。

それでもかぶれて痒かったのは、私の肌が軟弱だったのでしょう。


傷跡ケア用のクリームもあるようですが、

結局私は使いませんでした(←ズボラここに極まる)。

お腹の傷(周辺)に塗ったのは痒み止めのみという体たらく。

そして術後3カ月からは完全に傷のケアを放擲。

なんだかもう面倒くさくなってしまって、

「傷が残ってもいいかなー」と開き直ってのほほんとしていました。


というのも。

実は私の手術は今回が初めてではなかったのです。

生後9か月で開腹手術を受けました。

もちろん記憶にはありません。

夜中に救急で運び込まれた病院には乳児用の手術器具がなく、

一時は「諦めてください」とまで言われたとか。

覚えていないので私としてはなんだか他人事のようですが、

退院後の写真では私を抱く母がものすごく憔悴しています。

手術用の道具は父が車を飛ばして別の病院からお借りして。

夜中に手術をしてくださった先生方を含め、

本当にたくさんの人たちのお手を煩わせました。

当時直接お礼を言うことは当然叶わなかったわけですが、

おかげで今日もこんなに元気でいられます、ありがたいです。


その時の傷は中学生くらいまで残っていました。

細胞が最もぴちぴちのお年頃でも10年以上傷が残ったのだから、

四十路の傷は当然がっつり残るでしょうそうでしょうと思っていました。

更に加えて姑が、

「私の盲腸の手術跡なんて今でもじゃきじゃきよ!じゃきじゃき!」

とやたら「じゃきじゃき」を連呼して力強く主張(笑)。

姑の手術も二十歳そこそこだったそうなので、

まあ私の傷も「ちゃきちゃき」程度には残るかなと覚悟していたのです。

ところが!


今ぱっと見て「傷跡!」とはっきりしているのは全体の3割くらい。

私の傷は縦に11センチですが、

下半分と上部2センチくらいは傷の赤みがなくなりました。

色については残り3センチほどに濃い肌色を残すのみ。

術後半年かもう少し後までは傷全体に、

細いエンボス状の出っ張りが露骨にありましたが、

これが色素の落ちたところは触らないと分からないように。

凝視しないと傷が3割ほどに縮小したように見えます。


面白いのはエンボス状の出っ張りにも太さの違いがあること。

太いところは2ミリ強、細いところは1ミリを切ります。

まじまじと観察するに。

色素が比較的濃く残っているところ≒エンボスが太めなところは、

よく曲げる、動かす場所のような気がします。

刺激を与えられている方が治りが遅い、もしくは残るのかな?


それにお風呂に入ったり身体を動かしたり、

体温が高くなると?血の巡りがよくなると?

傷全体がうっすら赤みを帯びて、

もともとの傷のサイズが一目瞭然になるのです。

お腹に温度計がついているみたい、これもなんだか面白い!

小説の中などに「白粉彫り」と呼ばれるものが出てきますが、

これは技術的には不可能だということになっているんです。

でも……今私のお腹にあるコレは、

装飾的では全然ないけれど理屈的にはそんな感じ?

いえ、彫り物には全く興味はありませんが。

コレも期間限定の現象なのでしょうか。

せっかくなのでお風呂の度に愛でています。


ともあれ、傷の回復には本当に驚いています。

初めての手術跡に較べたら驚異の回復スピード。

これは医療技術の進歩のおかげですね。

「傷が残ってもいい」と思ってはいても、

キレイになっている過程を目の当たりにすると、

ゲンキンなことにやっぱり嬉しいです。

改めて、進化する医学とそれを享受できる環境を、

ありがたいと思わずにはいられません。

それから上手に縫ってくれた先生にも、

感謝の気持ちでいっぱいです。




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