諸君はは小便器をご存知だろうか。
小便器とは陶器で出来た排尿に特化したトイレであり、座らずに用を足すことが出来る画期的な文明の利器のひとつである。
学校、職場、デパートや公衆トイレ、ほとんどの男性諸君には身近な存在であろう。
しかし、こんな日常のさり気ないものと思われる小便器にも、ひとつの‘闇’が存在するのである。
諸君は小便器の汚れに注目したことがあるだろうか。
排尿をする際、多かれ少なかれ、排尿がジャストに決まらず、汚してしまう可能性は大いにある。
しかしながら、私はその汚れに対して、ある謎を発見した。
それは、小便器の上に置いてある(落ちている)陰毛の存在である。
きっと、諸君は「そりゃあ、トイレだから陰毛ぐらい落ちているだろう」と、この謎を一蹴するだろう。
しかし、よく考えてみてほしい。何故、便器の上に陰毛が存在しているのか??
かの哲学者、フランシス・ベーコンの言葉を借りるならば、洞窟のイドラ(狭い経験などによってものの見方がゆがめられること)とでも言おうか。
お気づきだろうか。そう、便器の上の高さより、通常陰茎は下に位置しているのである。
この陰毛は部屋に落ちている陰毛よりもずっと深い‘闇’を持っている。惑わされてはならない。
この謎に対して私はいくつかの説を挙げた。説は以下の通りである。
①巨人が排尿したんだよ説
これは身長2.5mほどの巨人が排尿をした際に小便器の上に陰毛を落とした、という説である。
確かに、これならば小便器の上に陰毛が乗ることも合点がいくが、
小便をする際にその巨人の陰茎は便器より上にあることになってしまうため、通常の小便器では排尿は不可能である。
また、そんな巨人は日本にはほとんど存在しないため、この説は非現実的である。
②風に乗ってきたよ説
風に乗ってゆらゆらと便器の上に乗った、という説である。
しかしながら小便器のほとんどは屋内にあるため、風はない。よってこの説も非現実的である。
③陰毛じゃなくて髪の毛だよ説
陰毛のように見える毛は、陰毛ではなく髪の毛(あるいは髭)である、という説。
確かに、この可能性は非常に高い。陰毛のように見えた毛は、実は縮れた髪の毛ならば、合点がいく。
実際にこのケースであることもあるであろう。
しかしながら、髪の毛はそんなに縮れていない。仮に縮れていたとしても、短髪で尚且つあの陰毛特有の縮れ具合を作り出すのは非常に難しく、あの縮れ具合と長さから言って陰毛であることに間違いない。
私もこの説を有力と言いたいのは山々であるが、奇麗ごとを言うわけにもいかないのである。
④誰かが陰毛を小便器の上に乗せているんだよ説
これは、説の通り、誰かが故意に陰毛を小便器の上に乗せている、という説である。
残念ながら、この説は今一番有力である。
では何故そんなことをするのか?私にもわからない。
しかし、この何が起こるかわからない物騒な世の中、故意に小便器の上に陰毛を乗せるによってエクスタシーを感じる人間がいないとは言い切れない。
我々が排尿をする際に目に止まるこの陰毛を想像することで、犯人はニヤニヤといやらしい笑いを浮かべているのである。
しかし、現状では‘謎’止まりである。では‘闇’とはなにか?
実は、ここでまた疑問が生じる。何故、どこの小便器へ行っても、陰毛が小便器の上に置かれていることがあるのか?
この疑問の答えこそが、‘闇’の実態そのものである。
非常に考えたくないことではあるが、犯人像は実は一人ではない。組織的に行っているのである。
おそらく、「陰毛を小便器の上に乗せることでエクスタシーを感じる会」などと全国的に活動する組織が存在しているのである。
この組織は既に全国規模のものになっていると考えられる。闇世界の全国屈指の変態たちがこぞって小便器の上に陰毛をニヤニヤしながら置いているのだ。
規模はこのまま拡大していき、次は世界へ展開し、更なる次には陰毛による世界征服をも目論んでいるという可能性も少なくはない。
今、日本社会の倫理観と問題解決能力が試されている。