耄碌妄想日記 No.73 | 楓坂四駒堂

楓坂四駒堂

4コマ漫画&諸々駄文晒してます。

 

 

 

こういうことも

あったのではないか?

という

今回も繋ぎのエピソード

次回4コマは

「何のこれしき! 大江戸篇」

 

 

 

 

 

「黄金の日々」

ドラマ黄金時代の女神たち

 

最終章 

桃井かおり 

その2

 

 やはり最初は映画女優のイメージが強く…

 「浅丘ルリ子」の妹を演じた「愛ふたたび(1971・市川崑・東宝)」はともかく

 続く「あらかじめ失われた恋人たちよ(1971・清水邦夫・田原総一朗・ATG)」

 「赤い鳥逃げた?(1973・藤田敏八・東宝)」

 「エロスは甘き香り(1973・藤田敏八・日活)」

 「青春の蹉跌(1974・神代辰巳・東宝)」

 「竜馬暗殺(1974・黒木和雄・ATG)」等々

 

 どちらか言えば童顔…白い肌…エロティックな肢体

 独特な倦怠感を纏った、物憂げでアンニュイなせりふ回しドキドキ

 ま、それぞれの映画において強烈な刺激を受けた記憶があります。

 

 その後も「幸せの黄色いハンカチ(1977・山田洋次・松竹)」

 「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979・山田洋次・松竹)」

 「もう頬杖はつかない(1979・東陽一・ATG)」

 「夕暮れまで(1980・黒木和雄・東宝)」

 「青春の門 自立篇(1982・蔵原惟繕・東映)」等々

 

 脇に回った後も、その存在感は衰えず。どれもこれもが記憶に残っており…

 ま、見繕って何本かを…とは思ってはいるのですが…

 

 取り敢えず「ドラマ黄金期」…ドラマの話を…

 

 記憶にある最初の出演ドラマ。

 そうですね…わが「吉永小百合」主演の「花は花よめ(1971~・日テレ)」

 ご存じの方は少ないでしょうが、「吉永小百合」「夢千代」以前に芸者さんを演じたドラマです。

 こんなのもう「サユリスト」以外、おぼえてまへん。叫び

 

 「桃井かおり」はその後輩…一番下っ端、見習い芸者の役。

 多少「海ちゃんモード」、入ってたかなあ…。

 たしか「緑魔子」とコンビだった筈。

 取り敢えず、ふたりとも可愛かったっス。ドキドキ

 

 でも、私…ひたすら「吉永小百合」ガン見してた訳ですから…。照れ

 

 余談ですけど、「緑魔子」の旦那、「石橋蓮司」とも共演、多いですね。

 

 そもそも、早くも2本目の映画「あらかじめ失われた恋人たち(1971)」で、共演してますもんね。

 実を言えば前述の数々の映画より先に、「桃井かおり」の存在を強く意識したドラマがあります。

 一目惚れ恋の矢したドラマと言っても過言ではありません。

 

 これもテレビドラマ史上に残る名作。

 1973年秋

 「木下恵介・人間の歌シリーズ(TBS)」の12作目。

 「山田太一」脚本

 「それぞれの秋」

 

 父「小林桂樹」

 母「久我美子」

 長男「林隆三」

 次男「小倉一郎」

 長女「高沢順子」

 この5人家族のそれぞれの秋…。

 この後の「岸辺のアルバム」での長男「繁(国広富之)に繋がるのですが

 新島家の次男「稔(小倉一郎)の目線によるドラマの展開。

 

 ほぼオンエアー時に観たきりの記憶なんですが…

 それでも強烈な印象が残っています。

 おもしろい!「山田太一」はほんとにおもしろい!クラッカー

 

 さて肝心の「桃井かおり」

 長女「陽子(高沢順子)が通う高校のスケバンのリーダー役。

 この時、この「桃井かおり」の制服姿を覚えてません…フェチでもないんで…。

 セーラー服姿だったらお宝でしょうが…ブレーザーだった記憶もありません。

 ジャージだった気もするし、私服だったかも…う~ん。

 

 ともかく、この時「桃井かおり」…22才くらい?

 

 その後の「桃井かおり」をご存知なら、このスケバン役、なんとなく想像つくとは思います。

 ぽっちゃり気味でしたが、やはりチャーミング…

 この時も独特の台詞回し…何なんでしょう?

 うまく説明できませんが…

 ふてくされるというのとは少し違うんですが、少しぼやき加減で放つ台詞

 スケバン役なのに、そこはかとなく生真面目さが出てて…。

 もうたまらなくて…このドラマで一気に見事に魂、持ってかれました。爆弾

 

 以来、実に半世紀、信者のままです。照れ

 

 たしか、「高沢順子」がこのスケバングループの標的にされ、熱き兄貴「小倉一郎」が、意を決してこのグループを諫めに行く訳です。

 

 成り行きで、この兄がリーダー「桃井かおり」ビンタをくらわせます。叫び

 ありがちですが…初めての経験…

 「オヤジにもぶたれたことがないのに!…アムロ並みのショック。

 

 スケバン「桃井かおり」はこれを契機に、「新島稔」にぐいぐい惹かれていってしまいます。

 このあたりの「桃井かおり」のお芝居…何となく想像つきませんか?

 かわいいったら、ありゃしない!ドキドキ

 このおぼつかない恋心の表現が「桃井かおり」テイスト満載。

 

 唯一無二

 この人の時代が来る…そう直観しました。

 今だから言える?…そうかもね…あはははは。叫び

 

 でも、ホント、輝いてましたから…。

 

 さあ…

 木下恵介アワー(TBS)」…「3人家族(1968)」「兄弟(1969)」「二人の世界(1970)」などで注目された、「山田太一」脚本の家族ドラマ(ホームドラマ)。

 

 その後の「山田太一ワールド」の方向性を指し示すかのようなドラマだった気がします。

 

 

 余談に突入しますがドクロ、先は急ぎませんので…悪しからず。

 

 思えば「山田太一」「季節」への拘り。

 

 それはドラマの「タイトル」への拘りでもあり…

 「それぞれの秋」の2年後、同じ「小林桂樹」「小倉一郎」

 「もうひとつの春」

 

 「岸辺のアルバム(1977・TBS)」を挟んで

 「夏の故郷(1976・NHK)」「竹下景子」主演ドラマですね。

 同じくNHK「夏草の輝き(1977・NHK)」…これは「それぞれの秋」「林隆三」主演。

 

 少し飛んで

 名作「早春スケッチブック(1983・フジ)」「岩下志麻」+「山﨑努」

 

 「冬構え(1985・NHK)」1982年の「笠智衆」主演の「ながらえば(NHK)」に続く「老い」をテーマにした力作。

 この3部作とも言うべき「笠智衆」主演「今朝の秋(1987・NHK)」

 

 この「笠智衆」と本日2度目の登場、わが「吉永小百合」の共演作は1989年

 「春までの祭(フジ)」…美しき未亡人「吉永小百合」照れ

 

 東芝日曜劇場「それからの冬(1991・TBS)」

 「大原麗子」…40代最後の主演ドラマ。

 もっとなが~く、愛したかった女優さんでしたね。汗

 

 1993年の福島テレビ開局30周年記念ドラマが「秋の駅」

 もうタイトルだけで「山田太一」…

 「秋の駅」

 

 この主演だった「田中好子」

 「大原麗子」同様、もういないんですね…。汗

 

 1999年「春の惑星(TBS)」

 2012年の「キルトの家(NHK)」に続くような男女6人の群集劇

 「緒形拳」「中井貴一」「いしだ壱成」「倍賞美津子」「ともさかりえ」「手塚里美」出演。

 このタイトルもグッドセンス。クラッカー

 

 2002年「この冬の恋(フジ)」

 今で言うと「パパ活」に近いのかなあ…所謂、金銭による交際契約

 この二人を「田中美佐子」「小林稔侍」

 おとなの恋の物語?照れ

 

 他にも多分あるのでしょうが

 こうした日本の四季を効果的に描いた作品群。

 

 それ以前にも師匠「木下恵介」との共同脚本「まだ寒い春(1965・TBS)」があるのですが…

 

 先駆けとなったのが「それぞれの秋」でした。

 

 

 スケバン「桃井かおり」を「放置少女」にしたまま、以下次週…う~ん。叫び

 

 

 

 

「岩谷時子」編Ⅲ

 

 さて、次はどの曲を?

 迷うほど数の多さなのですが…。

 

 プロの技

 要はオーダーに最大限応えるという

 真のプロ作詞家の力量がよくわかる例を…。

 

 「ピンキーとキラーズ」をご存じですか?

 

 アメリカのバンド「Spanky and Our Gang」を覚えている方ももう少ないでしょうね。

 1960年代、実に昔の話、しかもマニアックなんで…まあ、いいんですけどね。

 

 「ピンキラ」はこのバンドの編成をそっくりそのまま真似て作られました。

 女性ボーカルにバックは男性4人、髭だったり、山高帽だったり…

 そもそも「ピンキー」こと「今陽子」同様、この「Spanky」もふっくらしてましたね。叫び

 

 しかしこのアイデアは大当たり。メラメラ

 仕掛人「いずみたく」作曲のデビュー曲

 ♪恋の季節270万枚の大ヒット。クラッカー

 

 「ピンキラ」は一躍茶の間の人気者に…。

 1968年のことです。

 どうでもいいですが、私、大学受験の年。

 

 この曲の作詞を担当したのが「岩谷時子」

 

 夏の空を真っ赤に染めて燃えた恋ドキドキ

 でも…

 死ぬまで私をひとりにしないと言ったあの人は

 今はもう…

 

 やたら明るい「今陽子」のボーカルのせいで

 うっかり錯覚しそうになるのですが

 これはもう想い出になってしまった恋の季節。

 極めてオーソドックスな失恋ソング汗なんですね。

 

 しかし、ここで「岩谷時子」が仕掛けたのは、らしくない?「キラーワード」

 「夜明けのコーヒー」ドキドキ

 

 ♪ふ~たりで飲もうと あ~の人が云ったァ…

 

 当然、その前段階…即ち、一夜の秘めたる出来事がある訳で…

 その前段階こそが重要であって…

 当時、彼女のいない男たちが、みんな夢に見た「夜明けのコーヒー」…ううっビックリマーク

 

 受験勉強の徹夜明けで、ひとり、夜明けの即席麺をすすっていた身としては…

 大学に行ったら、そんなこともあるんかい?…と。

 大学にはまだ見ぬ彼女が待っていると信じていたあの頃

 …あほでおますやろ?

 

 さて問題はこの大ヒットの後の話。

 直後、「ピンキラ」はドラマ主題歌を2曲

 これをシングルとしてリリースしますが、ま、それほどのヒットには…

 

 そして…翌1969年初頭、満を持しての4枚目のシングルが

 ♪恋の季節の続編とも言うべき

 ♪涙の季節あせる

 

 メガヒットを受けた、ま、2匹目のドジョウ狙い…。

 版元キングレコードとしては当然の戦略。

 

 創り手としては、かなりやりにくいだろう…と

 そう思うんですよね。

 1曲目を凌ぐとまではいかなくても

 2番煎じという酷評は避けたい…。叫び

 少なくともヒットチャートを賑わすレベルは保ちたい。

 

 考えたでしょうね…「いずみたく」を中心とした制作スタッフは。

 

 まったく別なシチュエーションの「季節」の物語にするのか?

 前作♪恋の季節の物語をそのまま引き継ぐか?

 

 結果、選んだのは…

 やはり未だ諦めきれないあの夏のあの恋

 

 想いはまだまだ消え残ったまま…

 ならば「あのひととき」の想い出をより鮮明に…

 そして、「夜明けのコーヒー」おとしまえを…。

 

 それを受けて…

 作詞「岩谷時子」はどんな言葉を用意したか。

 

 唄い出し…どんなフレーズで攻めるのか?

 

 何でもないように思えますが

 最初、これを聴いた時には正直、唸りました。

 プロは凄いわ!クラッカー

 これがそれ!

 

♪あなたが 耳元で

  ささやいた 夜明けは~

 

  この2行ですべてを物語ってしまう超絶テクニックドキドキ

 

 少し早く目覚めた彼が入れたであろう

 夜明けのコーヒーの香りが揺らぐ、まどろみの中。

 

 耳をくすぐる、彼のささやいた言葉って…?

 

 何でもよろしおす!照れ

 

 このひととき…

 

 ♪私は あなたのもの~

 

 この「今」という言葉の切ないリフレーン

 

 ♪涙の季節

 

 無駄のない、実に短い詞なんですけどね…

 このメロディにはこれしかない…という完成度。

 

 当然、大ヒットクラッカー…しつこいですが凄いです。叫び

 

 

 以下次週!