ツイッター単文をまとめ


 個人的に気になっている戸板康二さんの中村雅楽シリーズだけど、新保博久さんによる傑作選二冊が発売で一冊を入手。

 色々と評判とだいぶ前にテレビドラマ版三作を観て気になっていた物語…今回入手のものにはシリーズ一作目の原型、次巻にはある作品の別バージョンが単行本初収録にたしか以前、日下三蔵さん編集の全集が出ていたけれど新たに発見されたのかと思ったら、今回収録の原型は探偵役が違うのと全集全巻購入特典として本という形になっていて、このあたり後追いで知るともどかしくなる部分だけど、探偵役が違うのだから全集未収録も納得。

 もう一冊収録の単行本未収録はどうも別バージョンが決定版のようで、このあたり収録する基準は難しいと思う。


 全集によっては異なるバージョンも収録したり、光文社文庫版の江戸川乱歩全集のように資料として各版の違いをまとめたものもあったりして、それはそれで面白いけれど、最終決定版のみを収録も読みやすさという点やさらには文庫という形式として合っていると思うだけに、こういった全集と一口にいっても色々とあるのだから面白いと思うけれど、編集者は大変だと思う。

 さらには近年も江戸川乱歩氏や宮沢賢治氏、アガサ・クリスティーの新発見の原稿が発見されるだけに本当の意味での全集というものは難しいものがあると思う。


 それこそ近年これまた日下三蔵さんによって初出という形で横溝正史氏の単行本未収録作品がまとめられているけれど、ジュブナイル作品に関するものを読んでいたら(ジュブナイルは山村正夫さんによる改変問題があるけれど、個人的にその改変で楽しんだから色々と否定的なものをみるとモヤモヤする部分がある。もちろん時代設定の変更や探偵を変えたりという部分は問題だけれども)収録したいけれど原稿が紛失、掲載紙も未発見で収録できないと読むと作品をまとめて読めるというのは幸福なことなのだと思うようになった。

 そして全集にかぎらず原稿捜索や注釈など、大変な作業をする編集の方は本当にすごいと思うし自分は感謝しかない…それこそまだポツポツと読んでいる大坪砂男さんだとかその文庫版全集ではじめて知った作家だったから(以前も書いたけれど最終巻解説での虚淵玄さんに関する話に笑ってしまった)